出版社内容情報
壇ノ浦に消えた恋人・資盛――『平家物語』の叙事詩的世界を抒情詩で綴りあげた可憐な名品
建礼門院徳子の女房として平家一門の栄華と崩壊を目のあたりにした女性・右京大夫の追想の記。歌と管絃と恋に生きた宮仕えの春秋、最愛の人資盛を壇ノ浦に喪ったあとの悲嘆の日々……明暗の折々に詠まれた歌360余首と詞書とが濃密に結び合う。『平家物語』の叙事詩的世界を抒情詩で描き出した日記的家集の名品を情趣豊かな訳と注解で味わう。
『平家物語』が男たちの視点で平家の興亡を描いているのに対して、『右京大夫集』は女性が平家一門の栄華と崩壊を目のあたりにした追憶の手記であり、叙事詩的世界を抒情詩によって表現した作品と言えようか。従って『平家物語』が語る人間像と『右京大夫集』が伝える平家の人々との間にはかなりの距離があることに気付かされる。つまり、朝夕見馴れた一門の人々を内側から悲しみをこめて回想し、『平家物語』からはうかがわれない普段の素顔を見せているのである。――<「解題」より>
糸賀 きみ江[イトガ キミエ]
著・文・その他
内容説明
建礼門院徳子の女房として平家一門の栄華と崩壊を目のあたりにした女性・右京大夫の追想の記。歌と管絃と恋に生きた宮仕えの春秋、最愛の人資盛を壇ノ浦に喪ったあとの悲嘆の日々…明暗の折々に詠まれた歌三百六十余首と詞書とが濃密に結び合う。『平家物語』の叙事詩的世界を抒情詩で描き出した日記的家集の名品を情趣豊かな訳と注解で味わう。
目次
上冊 宮仕えの春秋(序―わが目ひとつに見むとて;雲の上に光見る;輝く雲の上にいて;貴公子との交流;若き日の維盛 ほか)
下冊 追憶と鎮魂の祈り(寿永元暦の夢まぼろし;月にしぼる袖;思いたゆむことなき明け暮れ;風のおびただしく吹く夢に;死を思う ほか)
著者等紹介
糸賀きみ江[イトガキミエ]
1926年茨城県に生まれる。東北大学文学部国文学科卒業。共立女子短期大学教授、青山学院大学文学部教授などを歴任。中世和歌文学・女流日記文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅてふぁん
しゅてふぁん
ひさしぶり
Toska
剛田剛