出版社内容情報
五箇条の御誓文から帝国憲法発布へ――「明治」はいかにして達成されたか
官と民が織りなす近代の黎明短期間で近代国家を作り上げた新政府。
それは何をめざし、どのような手法で、誰の手によってなされたのか。
また、前時代の遺産の清算や、新たな政策・制度の伝達・徹底はどのように行われたのか。
地方官や戸長の役割と活動に注目し、「上からの変革」と人々の自前の対応により形作られてゆく「明治」を、五箇条の御誓文から帝国憲法発布までを舞台に活写。
鈴木 淳[スズキ ジュン]
著・文・その他
内容説明
短期間で近代国家を作り上げた新政府。それは何をめざし、どのような手法で、誰の手によってなされたのか。また、前時代の遺産の清算や、新たな政策・制度の伝達・徹底はどのように行われたのか。地方官や戸長の役割と活動に注目し、「上からの変革」と人々の自前の対応により形作られてゆく「明治」を、五箇条の御誓文から帝国憲法発布までを舞台に活写。
目次
第1章 明治の「藩」
第2章 戸長たちの維新
第3章 士族の役割
第4章 官と民の出会い
第5章 内治を整え民産を殖す
第6章 憲法発布
著者等紹介
鈴木淳[スズキジュン]
1962年生まれ。東京大学文学部国史学科卒業、同大学院人文科学研究科博士課程修了。東京大学准教授。専攻は日本近代史、明治時代の社会経済史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
109
わずかに短い期間で近代化を成し遂げた当時の状況を通史という視点よりも、その時点でのトピックを取り上げて解説をしています。昔この時代についてはかなり勉強をしたつもりでしたが、意外と知らないことがある感じでした。あとから考えてもよくこのような改革を成し遂げられたという気がします。2017/09/18
ぴー
43
戊辰戦争〜大日本帝国憲法発布までの通史。江戸から明治の過渡期を大まかに書いている。地租改正、殖産興業、徴兵制など、中学校で学習するような内容も述べらていた。明治初期は士族対応と多岐にわたる改革に全力を尽くしていたことを改めて理解。また明治初期〜中期まで政府と一般の人々のつなぎ役の「戸長」という存在を初めて知ることができた。明治中期になると、やはり伊藤博文の存在が目立つ。2024/11/28
coolflat
16
101頁。維新の変革のなかで、軍事的に最も大きな意味を持ったのは徴兵制であった。徴兵には家族を支えて維持するだけの給与を与える必要はないので、同じ規模の兵力を維持するのにかかる費用が軽減される。また、身分を問わないので兵力を拡大しやすく、軍事力を整備する上では理想的な制度であった。さらに、かつての武士のような一部の集団だけが国家の軍事力を担って特別の発言権を持つ事態を避けるためにもそれは必要であった。2023/10/24
sibasiba
11
西郷隆盛の死から半年でそれが劇にされ大当たり。西郷さん当時から人気だったのだな。反対に新政府首脳陣の人気のなさ。五箇条の御誓文なんてまったく知らなかった。士族の受け皿が色々用意されていたんだな。2013/09/13
かんがく
10
五箇条の御誓文から帝国憲法までを記述。人物よりも制度などに注目している。官民というワードを重視しており、戸長については初めて知った。秩禄処分、地租改正、国立銀行の関係性がとても面白い。2018/11/18