出版社内容情報
生い立ちを語る滋味あふれる随筆に、死を見据えた短篇小説「冬の梢」を収録した、永井龍男最後の名品集。「おれは二、三日うちに死ぬ気がする。晩飯の支度なんか放っておけ。淋しいからお前もここに座って一緒に話でもしよう」
妻にそう語りかけた数日後、永井龍男は不帰の人となった。
没後発見された手入れ稿に綴られた、生まれ育った神田、終の住処鎌倉、設立まもなく参加した文芸春秋社の日々。
死を見据えた短篇「冬の梢」を併録した、最後の名品集。
東京の横丁
神田の生れ
靖国神社大祭
駿河台下の横丁
大火の記憶
白昼の大音響
小学校入学
寂しい正月
横丁の外人
錦華小学校
高等小学校へ
米相場仲買店へ奉公
胸を患う
読書の習慣
処女作「活版屋の話」
帝劇の懸賞脚本
「黒い御飯」のこと
関東大震災
震災のあと
神田の風物
樋口一葉について
小林秀雄との出会い
大正デモクラシー
文藝春秋社に就職
結婚・鎌倉へ移転
母の死
芥川・直木賞制定
二つの大失敗
満洲文藝春秋社創立
文藝春秋退社
四季雑記
谷戸の初鴉
新年日記
寒三十日
船と車
土俵上の笑顔
畳の上
五百羅漢
大銀杏と大石段
蛍
吊りしのぶ
鼻の先
障 子
蔵王の芒
雨と乾パン
馬の耳
小錦の余波
たのしい歌舞伎
西と東
石蕗の花
小さな栖処
追憶の人
菊池寛の日常生活
追憶の日々 追悼素顔の里見?
初対面 尾崎一雄を偲ぶ
今日出海氏を偲ぶ
通夜の谷戸 追悼・中村光夫
大きな窓 悼山本健吉
鉱泉宿 大岡昇平人と文学
短篇小説 冬の梢
あとがきに代えて・父のこと 友野朝子
年譜・著書目録
永井 龍男[ナガイ タツオ]
著・文・その他
内容説明
「俺は二、三日うちに死ぬ気がする。晩飯の支度なんか放っておけ、淋しいからお前もここに坐って一緒に話でもしよう」妻にそう語りかけた数日後、永井龍男は不帰の人となった。没後発見された手入れ稿に綴られた、生まれ育った神田、終の住処鎌倉、設立まもなく参加した文藝春秋社の日々。死を見据えた短篇「冬の梢」を併録した、最後の名品集。
目次
東京の横丁(神田の生れ;靖国神社大祭;駿河台下の横丁 ほか)
四季雑記(谷戸の初鴉;新年日記;寒三十日 ほか)
追憶の人(菊池寛の日常生活;追憶の日々―追悼素顔の里見〓(とん)
初対面―尾崎一雄を偲ぶ ほか)
短篇小説 冬の梢
著者等紹介
永井龍男[ナガイタツオ]
1904・5・20~1990・10・12。小説家。東京生まれ。1920年雑誌懸賞に応募、当選。選者菊池寛の知遇を得る。34年『絵本』を刊行。39年「文藝春秋」編集長となる。47年公職追放により文筆活動に入る。50年「朝霧」で横光利一賞受賞。51年「風ふたたび」を「朝日新聞」に連載。75年「秋」で川端康成賞受賞。著書に『一個その他』(野間文芸賞・芸術院賞)『青梅雨その他』『石版東京図絵』及び『わが切抜帖より』『コチャバンバ行き』(共に読売文学賞)など。芸術院会員。文化勲章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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