出版社内容情報
斉明天皇から森鴎外まで、およそ12世紀にわたる短歌の歴史の中から112首を厳選し、稀代のアンソロジストが批評鑑賞を施した名著斉明天皇から森鴎外まで、およそ12世紀にわたる短歌の歴史の中から112首を厳選し、稀代のアンソロジストが批評鑑賞を施した名著
塚本 邦雄[ツカモト クニオ]
著・文・その他
内容説明
日本の詩歌のすべてに、あまねく愛惜と畏敬の眼をそそぎ、鬱然たる一大詞華集を創り上げることこそ、言語藝術、殊に韻文定型詩に關る人すべてに通じる今生の「夢」ではなからうか―斉明天皇から吉田兼好、森鴎外まで、約十二世紀にわたる百十二首を精選。簡明かつ非凡な批評・鑑賞を施した、塚本アンソロジーの精華。
目次
射ゆ獸を認ぐ川邊の若草の若くありきと吾が思はなくに 齊明天皇
家にありし櫃に〓(かぎ)刺し藏めてし戀の奴のつかみかかりて 穗積皇子
蜻蛉羽の袖振る妹を玉くしげ奥に思ふを見たまへ吾が君 湯原王
雄神河紅にほふ嬢子らし葦付き採ると瀬に立たすらし 大伴家持
道に逢ひて咲まししからに零る雪の消なば消ぬがに戀ふとふ吾妹 聖武天皇
ほととぎす鳴くや五月のあやめぐさあやめも知らぬ戀もするかな 讀人知らず
名にし負はばいざこととはむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと 在原業平
蝉の羽のよるの衣はうすけれどうつり香濃くも匂ひぬるかな 紀友則
かぎりなき思ひのままに夜も來む夢路をさへに人はとがめじ 小野小町
夕ぐれは雲のはたてにものぞおもふあまつそらなる人を戀ふとて 讀人知らず〔ほか〕
著者等紹介
塚本邦雄[ツカモトクニオ]
1920・8・7~2005・6・9。歌人、評論家、小説家。滋賀県生まれ。歌誌「日本歌人」(前川佐美雄主宰)に入会。1951年、『水葬物語』で歌壇に登場。60年、岡井隆、寺山修司等と「極」を創刊。85年、歌誌「玲瓏」主宰。反リアリズムの前衛短歌の雄として精力的に活動。『日本人靈歌』で現代歌人協会賞、『詩歌變』で詩歌文学館賞、『不變律』で迢空賞、『黄金律』で斎藤茂吉短歌文学賞、『魔王』で現代短歌大賞を各々受賞。97年、勲四等旭日小綬章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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