講談社文芸文庫
非常/寒風/雪国抄―川端康成傑作短篇再発見

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  • サイズ 文庫判/ページ数 312p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062902632
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

全集以外の収録が稀な初期の作品や、著者の没後に発見された「雪国」の抄作など、川端文学の深奥に触れる、知られざる名作12編。全集以外の収録が稀な初期の作品や、著者の没後に発見された「雪国」の抄作など、川端文学の深奥に触れる、知られざる名作12編。

川端 康成[カワバタ ヤスナリ]
著・文・その他

富岡 幸一郎[トミオカ コウイチロウ]
編集

内容説明

婚約者からの突然の別れを告げる手紙に、焦燥と混乱の中、彼女が住む岐阜へ汽車で赴く。実際の失恋を題材に描き、一連の書簡が二〇一四年に発見され話題となった「非常」。“知人の癩作家が死んだ”―ハンセン病で夭折した作家の遺体と病院で対面、その痛切な心情が異彩を放つ「寒風」。著者の死後に見つかった遺稿の抄作「雪国抄」ほか、川端文学の深奥と短篇の至芸に触れる十二篇。

著者等紹介

川端康成[カワバタヤスナリ]
1899・6・14~1972・4・16。小説家。大阪市生まれ。1917年、第一高等学校入学。20年、東京帝国大学に進み、在学中に今東光らと第6次「新思潮」創刊に参加し、掲載された「招魂祭一景」が菊池寛らに評価される。22年から「時事新報」で創作月評を連載、批評活動のスタートを切る。23年創刊の「文藝春秋」同人に。24年、横光利一、片岡鉄兵、今東光らと「文芸時代」を創刊、「新感覚派」と称される。45年、鎌倉在住の久米正雄、小林秀雄らと蔵書を持ち寄り貸本屋鎌倉文庫を開店、のち出版社「鎌倉文庫」に発展し役員となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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優希

87
川端康成の知られざる名作選と言えるでしょう。美しい日本語で紡がれる世界から、今まで見えなかった文学の深いところまで見ることができました。川端文学により深く触れられたと思います。2016/12/16

佐島楓

69
幸せを手放しで喜ぶような作品はない。ほんのりとしたよろこびも悲しみと表裏一体である。それは「非常」に見られる川端康成の女性不信から来るものであろうか。そう考えるとどこか女性の描写が冷酷で恐ろしいのもうなずける。2017/05/15

たぬ

33
☆4.5 久しぶりの川端康成18冊目は12編を収めたもの。文章が相変わらず品があって読んでいると自分もなんだか上品な人間になっている気がします。特に好みだったのは「寒風」。当時は(今も?)被差別の対象だった病気で亡くなった若い作家への友愛の情がたまらなく、静かに胸を打ちました。2021/07/25

ykshzk(虎猫図案房)

26
雪の日の寒さの中、図書館に入った折に借りた。どの短編も個性的で興味深く読める。特に「寒風」は、川端康成との縁によって作家として日の目を見たハンセン病患者、北条民雄についての実話ベースだと思うが、北条に対する川端の正直な苦悩がわかるうえ、当時のハンセン病隔離政策のむごさなども知ることが出来る。患者という事実が作品に及ぼす効果や北条の人格について否定的な言及をする若い医師のこと、息子の出版物を隠して保管しようとする母親のこと。北条に関わる人々の苦悩をすくい上げて書き記した作家の眼差しは気遣いに満ちて優しい。 2024/02/08

ちゃっぴー

13
自身の失恋をもとに書いたものや、フワフワと幻想的なもの、女性への視線にネットリ感を感じたり。親交のあったハンセン病の作家・北条民雄の死の報を受け、病院での対面の一部始終を綴った「寒風」は川端の痛み、苦悩がうかがわれる。どの作品もやはり端正。2024/10/23

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