講談社文芸文庫<br> 旅の話・犬の夢

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講談社文芸文庫
旅の話・犬の夢

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  • サイズ 文庫判/ページ数 333p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784062902526
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

欧米を旅して思索を巡らした芸術・文学論から、愛犬との日常まで。30代の著者が旺盛な行動力と躍動する批評精神で綴った随筆集。欧米を旅して思索を巡らした芸術・文学論から、愛犬との日常まで。30代の著者が旺盛な行動力と躍動する批評精神で綴った随筆集。

江藤 淳[エトウ ジュン]
著・文・その他

内容説明

ロンドンでターナーと漱石の内的現実について考え、ドイツで音楽生活の厚みと欧州人の厳格な孤独に触れ、ウィーン国立歌劇場の爛熟と洗練を極めたオペラに酔い、米国で世阿弥を読み自己の核心を支えるものを発見し、東京で愛犬ダーキイを傍らに思索を重ね執筆する。著者が二〇代後半から三〇代にかけて、横溢する好奇心と旺盛な行動力、躍動する批評精神で綴った随筆集の名著。

目次

ニューヨーク・ウィーン・オペラ旅行
ケンブリッジ大学訪問
ニュージーランドの印象
ロンドン・漱石・ターナー
熊野詣で
ベイルートの落日
別れ
西ヨーロッパの旅
「芸」と「芸術」
「世阿弥」に思う〔ほか〕

著者等紹介

江藤淳[エトウジュン]
1932・12・25~1999・7・21。批評家。東京生まれ。1957年、慶應義塾大学卒業。大学在学中の56年、『夏目漱石』を刊行。偶像化されてきた漱石像をくつがえし、その後の漱石研究の方向を示す。62年から数度にわたりアメリカに滞在、『アメリカと私』を生むとともに、のちの「国家」への関心や敗戦・占領期研究の契機ともなった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ミスター

4
鼻持ちならないがこの鼻持ちならなさこそ江藤淳が江藤淳たる所以である。江藤淳は悲劇に甘えることをもっとも拒否していて、このことをよく表しているのは太宰治評である。江藤は太宰治に一定の共感を覚えながら、違和感を表明している。江藤は「敗戦後」の「ホロビ」を満喫することができなかった。なぜなら「ホロビ」を許すことのできない屈辱を覚えたからだ。ここで言われている屈辱は明らかに他人にとってはどうでもいいものかもしれない。しかし他人にとってはどうでもいい私情にそれを超えた大きなものを見出すことこそ文学なのではあるまいか2020/08/14

nakagawa

4
江藤淳氏の本を読んだのはこれで2冊目。以前はGHQの検閲などを書いた本であったがこの本は随筆集。ヨーロッパやニューヨーク、ウィーン、ロンドンなどの旅の話と愛犬ダーキイと東京で思索をかねて執筆したものである。少し難しいかと思ったがそのようなことはなく簡潔な文章でとても読みやすい。彼は戦後の高度経済成長、いや1945年の敗戦以降の日本の社会の行き着いた近代の荒廃に気づいていたのではないだろか。学生運動の連中が日本人の子供が怯えていたという所はとても印象に残ったところである。2017/08/01

hirayama46

2
はじめての江藤淳。主に60年代後半に書かれた、タイトル通りの旅と夢の話以外にも、身辺の暮らしの話や、万博などの文化にも触れたエッセイ集。時代性もあって、いま読むとやや偏狭にも感じられるところもありますが、当時から頑固な人だとは思われていそうではあります。森鴎外の書に対する悪口とか、ちょっと言い過ぎじゃないかな……と思いました。戦後と現在の右左派の有り様の違いというは考えていきたいところではあります。2021/08/02

ホリエッティ

1
2025年の大阪万博はいろいろと話題になっているが、'70年の万博においても江藤淳はその拝金主義的な嫌らしさを白い目で見ていて、丹下健三や岡本太郎に皮肉をぶちまけてるのが面白い。2024/01/08

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