講談社文芸文庫
手紙読本

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  • サイズ 文庫判/ページ数 234p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784062902427
  • NDC分類 915.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

詫び状、祝い状、無心状、恋文、遺書…漱石、鴎外、川端、谷崎、安吾、芥川らが残した手紙を名編集者・江國滋が厳選した名著

石川啄木が友人の金田一京助宛に、長男の死を告げながら葬儀用に羽織袴の借用を頼む手紙。夏目漱石が饅頭を貰ったことへの礼状に、饅頭の俳句を添えて。内田百けんが借金を請う無心状。谷崎潤一郎の赤裸々な恋文。太宰治が芥川賞を懇願する手紙。福沢諭吉が我が子に送った人生のアドバイス。正岡子規が弟子の高岡虚子に与えた厳しい訓戒。二葉亭四迷、森鴎外の遺書……。一通の手紙に表れる作家の知られざる素顔や、作家同士の興味深い交友関係。名編集者・江國滋が86通の手紙を厳選し、手紙の内容ごとに寸評を加えたアンソロジー。巻末解説・斎藤美奈子。

内容説明

江國滋が文士の手紙九十余通を選び、内容ごとに寸評を付したアンソロジー。一通の書簡に垣間見える、文士たちの実生活と交友関係、生々しい喜怒哀楽。

目次

1 書くべき手紙
2 書かねばならない手紙
3 書いたほうがいい手紙
4 書きたくない手紙
5 読みたくない手紙
6 書きたい手紙・読みたい手紙

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1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯

49
江國滋編、文豪たちの手紙アンソロジー。子供を亡くした石川啄木や、芥川賞を欲しがる太宰治の懇願、饅頭のお礼に句を詠む夏目漱石、百閒先生の借金の申し込みやデレデレの恋文、中島敦から小さな息子への旅先からの手紙、谷崎潤一郎から松子への自分を侍女呼ばわりのプレイ感満載な手紙など。こんな手紙をもらってみたいと思うようなものから、これは勘弁と思うような手紙まで、文豪の素顔が垣間見える手紙の数々。2016/10/29

みつ

15
「書くべき手紙」「書きたくない手紙」「読みたくない手紙」など六分類の上、近代日本の著名な作家の手紙が百近く紹介される。この手紙を模範に書き方を学ぶ・・・という本では全然ない。各章冒頭の選者コメントと各手紙との関連は希薄で、そもそも著者が解説の最後に「手紙は書くもので、読むものではない。」と記すぐらいだから何をか言わんや。鴎外・二葉亭それぞれの遺書、子規の病苦の絶望、太宰の芥川賞への執念など有名なもののほか、透谷、独歩、南吉の恋文等は前後の2通を掲載。手紙が後に読まれてしまうのは、本人も望まなかったのでは?2025/02/02

今野ぽた

3
よかった文章をいくつか。 「饅頭を沢山ありがとう。みんなで食べました。いやまだ残っています。是からみんなで平らげます」(漱石) 「昨夜御写真を拝んで居りましたら御写真の御顔つきが何だかまだ私を叱っていらっしゃるように見えましたので、ゆるして下さいまし〱とくり返して御辞儀をいたしました」(谷崎) 「われわれは出来たら結婚しよう。たとい不幸に終ろうとも、こゝまで来た以上そうするより他ないのです。結婚してからも出来るだけ愛しあっていこう。僕はぐうたらな夫になるだろうけれど、それでも且愛して下さい」(新美南吉)2014/10/09

皐月

2
横光夫婦の仲の良さ、というか妻への信頼と愛情を感じる手紙。 室生犀星の「きりふかきしなののくにの」の句が好き(軽井沢の旧居敷地の看板に彫られている)なので、それが添えられていた手紙が知られて良かった。 宮沢賢治から両親への「この一生の間どこのどんな子供も受けないような厚いご恩をいただき」から始まる遺書、彼の誇りと深い感謝。 漱石の周辺、漱石が送ったものも彼に送られたものもどれも良い。2023/05/28

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