出版社内容情報
日本独特の文学である私小説を、中村光夫が厳選したアンソロジー。15人の珠玉の短篇。田山花袋・志賀直哉・梶井基次郎・太宰治他。
日本独特の文学である私小説を、中村光夫が厳選したアンソロジー。15人の珠玉の短篇。田山花袋・志賀直哉・梶井基次郎・太宰治他。
内容説明
近代日本文学において独特の位置を占める「私小説」は、現代に至るまで、脈々と息づいている。文芸評論家・中村光夫により精選された、文学史を飾る作家十五人の珠玉の「私小説」の競演。
著者等紹介
中村光夫[ナカムラミツオ]
1911・2・5~1988・7・12。評論家。東京生れ。本名木庭一郎。1931年東大法学部入学、のち仏文科へ。在学中「文学界」に「モウパッサン論」「文芸時評」等掲載。同誌連載の「二葉亭四迷論」で文学界賞、『二葉亭論』で第1回池谷信三郎賞。38年仏政府招聘留学生となりパリ大学に入学。第二次世界大戦のため帰国。「批評」に参加。戦後は明治大学で教鞭をとる。50年『風俗小説論』刊。翌年広津和郎と「異邦人」論争を展開。三島由紀夫等と「声」創刊(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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踊る猫
12
上林曉「ブロンズの首」と梶井基次郎「檸檬」以外は未読。つまり太宰治「富嶽百景」も読むのはこれが初めて。まあ、情けない読者です。中村光夫が編んだだけのことはあって、俗に言う「外れ」がない、読んでつまらないと思ったものが他にない。それだけでも驚くべきことだろう。従ってどれも甲乙つけ難いが、強いて言うなら近松秋江「黒髪」が好み。その他にも「私小説」という掴みどころのないジャンルからこれだけの作品を選べたのは言うまでもなく中村の膨大な教養のなせる技だろう。日本独特の伝統の妙をたっぷりと楽しませて貰った。次に続く!2016/07/05
SIGERU
6
中村光夫選「私小説名作選 上」を読んだ。海外文学が好きなのだが、ときに醇乎たる和文を読みたくなる。それが私小説であっても。今回面白かったのは、情痴文学の極北と評される近松秋江「黒髪」と、樋口一葉伝で知られる和田芳恵の意外な情痴物「接木の台」の対比だった。美しい傾城女に鼻面を引き回される男の悲惨を描きながら、ひたすら嫋々とした上方風の文体で酔わせるのが「黒髪」。文体の品格はやはり「黒髪」に軍配が上がる。対するに、和田芳恵はやはり無骨。老醜漂う結尾は、哀れを通りこして嫌悪すら覚えてしまう。小説って不思議。2016/06/26
もち
4
クソ男に虐げられる女性の話、という印象を持ってしまう作品がいくつかあった。2017/12/01
ひろゆき
3
田山花袋『少女病』美少女達への想いを男性作家が連綿と綴れば、三人称で書き、しかも主人公が最後に死んでも、「私小説」と断じられてしまうのね。井伏鱒二『鯉』あれっ、と思い、読後「井伏鱒二 同性愛」で検索、やはり、あらまあ、知らなかった。木山捷平『耳学問』捕虜って戦場で捕らえられるものだと思っていたが、兵隊になるときみたいに召集されることもあることを知る。和田芳恵『接木の台』自分は若い女にももてるのだよ、というのは私小説では嫌味だよねえ。その他太宰、志賀、梶井など全十五編。2012/06/24
saga
2
「少女病」田山花袋が読みたくて手にとりました。 少女を観察した文章の表現が素晴らしいと思った。 他の作品で面白かったのは、「セキセイインコ」井上靖。 雀の群れにセキセイインコが紛れているという、分かりやすい内容のストーリーでした。 2015/11/01
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