講談社文芸文庫<br> 丸本歌舞伎

電子版価格
¥1,540
  • 電子版あり

講談社文芸文庫
丸本歌舞伎

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 275p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784062901383
  • NDC分類 774
  • Cコード C0195

出版社内容情報

第一人者による戦後歌舞伎評論の金字塔! 「義経千本桜」「仮名手本忠臣蔵」他、丸本物の魅力と神髄を簡潔にかつ余すところなく論じた名著。歌舞伎評論家としての名声を不動にした第1回戸川秋骨賞受賞作

内容説明

“丸本歌舞伎”という名称を創出し、研究と鑑賞を別扱いする従来の演劇学に異を唱え、戦後の歌舞伎批評の方向性を決定づけた、初期代表作。「型とは何か」の追究から、歴代の演出家=俳優の才智・工夫を発見し、その魅力と真髄を明かしていく。「義経千本桜」など十作品を具体的に読み解く鑑賞編も圧巻。歌舞伎ファンのみならず広く演劇を志す者、必読の書。

目次

丸本歌舞伎研究
丸本歌舞伎鑑賞(「義経千本桜」;「傾城反魂香」;「平家女護島」;「義経腰越状」;「妹背山婦女庭訓」;「本朝廿四孝」;「彦山権現誓助剣」;「新薄雪物語」;「仮名手本忠臣蔵」;「菅原伝授手習鑑」)

著者等紹介

戸板康二[トイタヤスジ]
1915・12・14~1993・1・23。演劇評論家・小説家。東京生まれ。芝居好きの父に連れられ幼時より歌舞伎に親しむ。1932年、慶応義塾大学文学部予科入学。歌舞伎研究会に入り「三田文学」等に劇評を発表。国文科に進み折口信夫に師事、大学院時代に知る久保田万太郎と共に生涯の師となる。明治製菓宣伝マン、教員を経て44年、日本演劇社入社。戦中戦後の激動する演劇界をジャーナリストとして目撃(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

shellgai

2
面白かった。前半の章が総論的な「丸本歌舞伎研究」、後半の章が、義経千本桜、菅原伝授手習鑑、仮名手本忠臣蔵、傾城反魂香、本朝廿四孝など代表的な作品の劇評である「丸本歌舞伎鑑賞」。特に劇評は当時の役者の動きが目に見えるような精密さ。今ではお手本とされている六代目菊五郎や初代吉右衛門の芸も悪いところはきっちり指摘しているのも面白い。これから義太夫狂言を観る前にまた読み返してみたい。2012/02/28

がんちゃん

1
 武智鉄二との違いが鮮明に分かって面白かった。武智は原作に忠実にあろうとして役者の勝手な思い入れを排除しようとしたが、それに対して戸板は役者の思い入れにもそれなりの理解を示し、それこそが人形浄瑠璃にはない歌舞伎ならではの楽しさであるとした。要は歌舞伎に何を求めるかということ。武智はドラマを通して人間の真実の叫びを求め、戸板は様式美から醸し出される「あやかしめいたにおい」を嗅ごうとした。そのどちらもまた歌舞伎なのだと思った。2015/04/03

みつひめ

0
院本と丸本の表記の違いの訳、義太夫狂言のポイント、ここで取り上げられている演目それぞれのポイント…お芝居を見る前に、見た後に、何度も繰り返し読むことにしようと思う。2012/05/03

qoop

0
歌舞伎初心者として本から入ってみた。今では義太夫狂言と呼ばれるジャンルについての、興味深い解説書。人形浄瑠璃由来の脚本を歌舞伎に取り入れる際に工夫される演出。その巧拙を指摘し、守るべき伝統と評価すべき革新とを同列に論じる。原本を尊重するところと、役者を見せるところの、いわばせめぎ合いの場に割って入って調停する力量がなければ書けない内容だと感じた。もちろん丸本歌舞伎特有の留意点が挙げられているのだが、伝統芸能全てに通じる部分もあると読んだ。2011/11/28

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/4114501
  • ご注意事項

最近チェックした商品