講談社文芸文庫<br> 聖ヨハネ病院にて・大懴悔

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講談社文芸文庫
聖ヨハネ病院にて・大懴悔

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  • サイズ 文庫判/ページ数 288p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062901048
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

半身不随の病苦の中で一字一字刻みつけた魂の言葉。「私小説」の佳品10篇

文学への純粋な情熱を胸底に78年の生涯を私小説一筋に生きた上林暁。脳溢血で半身不随、言語障害を患った晩年も、左手と口述で一字一句、彫心鏤骨の作品を生みつづけた。川端康成に賞賛された出世作「薔薇盗人」、心を病む妻を看取った痛切な体験を曇りない目で描く「聖ヨハネ病院にて」、生と死のあわいを辿る幻想譚「白い屋形船」(読売文学賞)等、人生の苦悩の底から清冽な魂の言葉を響かせる珠玉短篇集。

富岡幸一郎
作家の「眼の誠実」と川端がいったのは、上林暁が、描かれる対象にたいするいたわりを内に含み、そのことにおいて人がそこで生きている真実の姿を浮き彫りにしている点であろう。(略)上林暁の「私小説」はつねに他者を包含し許容することで、また自然をはじめとする森羅万象を受け容れる姿勢を保つことで、描くべき存在に生命の息吹を注入し活力を回復させるのである。――<「解説」より>

上林 暁[カンバヤシ アカツキ]
著・文・その他

内容説明

文学への純粋な情熱を胸底に七十八年の生涯を私小説一筋に生きた上林暁。脳溢血で半身不随、言語障害を患った晩年も、左手と口述で一字一句、彫心鏤骨の作品を生みつづけた。川端康成に賞賛された出世作「薔薇盗人」、心を病む妻を看取った痛切な体験を曇りない目で描く「聖ヨハネ病院にて」、生と死のあわいを辿る幻想譚「白い屋形船」(読売文学賞)等、人生の苦悩の底から清冽な魂の言葉を響かせる珠玉短篇集。

著者等紹介

上林暁[カンバヤシアカツキ]
1902・10・6~1980・8・28。小説家。高知県生まれ。熊本の五高時代から習作を始める。1927年、東大英文科卒業、改造社入社。編集者の傍ら同人誌「風車」を創刊。33年、第一創作集『薔薇盗人』刊行。34年、改造社を退社し、以後筆一本の生活となる。38年発表の「安住の家」から私小説に己が文学の道を定める。戦争中に精神を病んだ妻を看病し、46年「聖ヨハネ病院にて」発表。62年、二度目の脳溢血を起こして半身不随となるが、妹徳広睦子の献身により口述執筆を行い、63年「白い屋形船」(読売文学賞)、73年「ブロンズの首」(川端康成文学賞)等の秀作を遺す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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優希

81
美しい情景の中に時折差し込まれる激しい情動を感じました。曖昧に描きそうなことを明確に描いている文章が、人生の苦悩の底からの鮮烈な魂の言葉として響きます。全てが私小説ですが、その作風に引き込まれずにはいられませんでした。全編を通じて貫かれる優しくて鋭い世界に魅せられます。2016/09/20

厩戸皇子そっくりおじさん・寺

55
既読の新潮文庫版『聖ヨハネ病院にて』と講談社文芸文庫版『白い屋形船・ブロンズの首』と重複する作品以外を読む。やはり上林暁は面白い。妹をネタに書いた小説を妹に見つかった話『姫鏡台』が良い。発表を止めたい妹と、私小説作家としての矜持の葛藤。ラストが救われる。そして圧巻の表題作『大懺悔』。高校・大学のある同級生の話だが、悲惨でもありダイナミックでもある。この同級生のモデルは誰なのだろう?作中の名前『山田晋道』で検索しても出て来なかった。他の作品も素晴らしいので、皆におすすめしたい。この人の作品には救いがある。2019/09/14

tonpie

33
川端康成の自死から書き起こされた随筆「上野桜木町」のみ読了。自分が傾倒し影響を受けた作家は皆自殺している、という。有島武郎、芥川、太宰、川端、そして「みんな派手な作家」であった、という。川端のその派手さが、私にはよくわからなかったのだが、この随筆でかなり川端像が見えてきた。作者は川端の「禽獣」を取った雑誌「改造」の担当編集者だった。印刷ぎりぎりの締め切りになっても原稿をもらえず、あと一日だけ待ってくれと懇願され、翌日一気に全原稿を渡されたという。この本自体は上林の主要な短篇集。近いうちにそっちも読みたい。2023/07/18

michel

13
★4.0。盲目の妻の看病の中で、神聖と人間的な穢れの狭間に、作者の弱さ脆さ醜さもさらけ出す強さ優しさが、心に響く。2021/02/11

13
再読> よく言われることだが上林暁は尾崎一雄と並び戦後を代表する私小説作家の一人である。僕は尾崎の文体も好きだが上林の文体もとても好きだ。それぞれに独特の個性があり惹かれるものがある。尾崎の場合、癒しの空間(何処か懐かしい時代の匂いがする世界)へ読者を導いてくれることが多いが、上林の場合は、無色感が有りながら決して無色ではなく、何処か味わい深さがあり、その文体(作品)に視覚感が残る。このような魅かれ方をする作家もまた珍しい。 2014/05/15

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