講談社文芸文庫<br> 深夜の酒宴・美しい女

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講談社文芸文庫
深夜の酒宴・美しい女

  • 椎名 麟三【著】
  • 価格 ¥2,090(本体¥1,900)
  • 講談社(2010/07発売)
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  • サイズ 文庫判/ページ数 368p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784062900928
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

なぜ人間は生きねばならないのか――?
戦後文学のカリスマ椎名麟三の代表的2篇!

焼け残った運河沿いの倉庫を改造したアパートに蠢く住民達。瀕死の喘息患者、栄養失調の少年、売春婦の救いのない生態を虚無的な乾いた文体で描き、「重い」「堪える」の流行語と共に作家椎名麟三の登場を鮮烈に印象づけた「深夜の酒宴」。電車の運転の仕事を熱愛する平凡な男が現実の重さに躓きつつ生き抜く様を特異なユーモアで描く「美しい女」(芸術選奨)。戦後の社会にカリスマ的光芒を放った椎名文学の代表作2篇。

井口時男
この地上にあっては、「愛」も「自由」も「幸福」も相対的で不十分な偽物でしかありえない。しかし、「ほんとうにほんとう」のものとしての「美しい女」は、地上の偽物性や相対性を裁き糾弾するのではない。むしろそれは、まがい物たらざるをえない地上の存在の卑小さや滑稽さを許容し、ゆるめ、やわらげてくれるものだ。裁き糾弾するのは旧約の神だが、ゆるめ、やわらげてくれるのはキリストの「ユーモア」である。――<「解説」より>

椎名 麟三[シイナ リンゾウ]
著・文・その他

内容説明

焼け残った運河沿いの倉庫を改造したアパートに蠢く住民達。瀕死の喘息患者、栄養失調の少年、売春婦の救いのない生態を虚無的な乾いた文体で描き、「重い」「堪える」の流行語と共に作家椎名麟三の登場を鮮烈に印象づけた「深夜の酒宴」。電車の運転の仕事を熱愛する平凡な男が現実の重さに躓きつつ生き抜く様を特異なユーモアで描く「美しい女」(芸術選奨)。戦後の社会にカリスマ的光芒を放った椎名文学の代表作二篇。

著者等紹介

椎名麟三[シイナリンゾウ]
1911・10・1~1973・3・28。小説家。兵庫県生まれ。姫路中学中退。私鉄乗務員等、種々の職をめぐり労働運動に参加するも検束投獄され転向。ドストエフスキーによって文学に目覚め、戦後「深夜の酒宴」でデビュー。ニヒリズムを基調とした実存主義的作風で第一次戦後派作家として注目される。その後キリスト教に入信。著書に『美しい女』(芸術選奨)等(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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活字の旅遊人

39
これも小説投稿サイトNOVELDAYSで親交のある作家さんから影響を受けて読んだもの。「深夜の酒宴」は退廃的な空気の中で虚無感を抱えつつしっかり生きようとする話、かな? 入門編的な短編。「美しい女」はかなり面白い。真面目なキャラクターが映える。その真面目な男が意外にやらかすのだが、そこに「ほんとうのほんとう」を追求するのが良い。本作品もしかし、現実を受け入れる姿勢が見てとれ、お花畑には向かわない。自問する先にいる「美しい女」。主人公の心にある「美しい女」が、信仰の対象にさえ思えてくる読後感だ。2022/11/26

押さない

8
『美しい女』死ぬつもりで物事をとりかかるものは苦手だ。ノー理想過多。過装飾で大げさな 言葉は遠慮したい。ただ私は自分に正直に生きているたけなのだ。このようなくだらない生活に十分に生きられない者にこの世のことをとやかく言われたくないのだ。しかしそんな『私』がほんとうの美しい女を追い求めるのは矛盾ではないか?と思ったが、そうではない。絶対に現れない手に入らない自分の中の女だからこそ、何が起こっても頭で微笑んでくれる。この詰まらない人生のおかしさを力ある輝かしいものにしてくれる。現実を愛せる。2021/03/12

NICK6

6
面白かった。左翼思想の犯罪扱いで刑務所出所、オルグした友人の死を責められたり、戦後の混乱で近所の不幸がむごたらしく視線に入る日常。自らも飢えて病苦で、語り手の自覚する不幸の様子は昏く濁っている。思想が自分を救済しないのか、自分が思想に不忠実なのか今は全てのイデオロギーを排す。ただ、思考は停止しないし厭世とも思えない。むしろ饒舌。怒り、反論し、論理的に沈黙する。神と対峙した個が不幸を忍耐で受け留める。それを肯定で捉える、思想の回路を創りだしているようだ、その限りにおいての、生の充足を噛みしめているのかも 2022/12/23

肉欲棒太郎

6
『深夜の酒宴』も『美しい女』も、共産主義からの転向者らしく「思想」や「イデオロギー」をとにかく嫌悪するというニヒリズムに満ちているように思えるが、一方で「僕の世界で一番嫌いなものはこのニヒリストという奴なのである」(『深夜の酒宴』)とも言ってるし、何とも捉えがたい。結局、解説で井口時男が言うように「リアリスト」ということなのか?あるいは単に凡庸なヒューマニストという可能性も。それにしても、『死の棘』の島尾敏雄といい、キリスト者はどうしてこう「妻からの責め苦にあう自分」を書きたがるのか。2017/03/25

Viola

6
椎名4冊目。『深夜の酒宴』社会の掃き溜めのような世界。登場人物も卑屈かろくでなし。死がまとわりつく中淡々と毎日が営まれる不気味さ。『美しい人』の主人公は著者の職業でもあった電車の運転手。「ほんとう」のものは目に見える生活になく、「美しい人」に見守られながら自分の中の「ホントウ」を探そうとしている。この世に絶対はなく、人生は彼が自由に息ができるようにゆるめておいてくれる、それがやさしさ、という主人公の生きることへのスタンスと、自分を超越した存在から自分を見る視点に、動じない魂の平安を感じる。2016/05/14

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