講談社文芸文庫
現代アイヌ文学作品選

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  • サイズ 文庫判/ページ数 301p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062900799
  • NDC分類 929.2
  • Cコード C0193

内容説明

口承文芸の精華・ユーカラを生み出したアイヌ民族は、近代以降、文化や言葉を抑圧され、長く沈黙を強いられた。そんな中から、神謡の日本語訳に若い命を燃やした知里幸恵、短歌にアイヌの苦悩と誇りを籠めたバチェラー八重子や違星北斗、民族と自己のアイデンティティを追求した鳩沢佐美夫、アイヌ語の弔詞に民族の世界観を凝縮した萱野茂などが現れた。現代アイヌ文学を代表する九人の作品を精選する画期的なアンソロジー。

目次

知里幸恵
知里真志保
バチェラー八重子
違星北斗
森竹竹市
鳩沢佐美夫
山本多助
貝澤正
萱野茂

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ハチアカデミー

14
まず知里幸恵の『アイヌ神謡集』の世界観が凄い。単純な解釈を許さない豊かな世界が広がる。怒りややるせなさがストレートに記される違星北斗(「アイヌから偉人の出ない事よりも一人の乞食出したが恥だ」)、森竹竹市(「アイヌ亡びず」)らの短詩も強く印象に残る。他、祖母の死を描いた鳩沢佐美夫「証しの空文」も所収。世代ごとによるアイヌ文化へのまなざしの違いや、生活信条、宗教観の違いが語られる。「文学」という文化から、アイヌの歴史や価値観を知ることのできる貴重な一冊である。近代以降のアイヌ民族の苦しみが吐露されている。2015/04/18

itsumiKshi

2
アイヌの人にキリスト者が思いの外多く感じた。違星北斗の詩が、皮肉と独立心がにじみ出ていて好きだった。2022/07/18

ワッピー

1
恥ずかしながら、アイヌ神謡集以外、アイヌの方が書かれたものをあまり読んできませんでした。日記や短歌、詩、論文などを含め、初めて目にするものばかり。アイヌであることの誇りと現状への屈辱、苦渋といった生の感情にふれ、これまでウタリの人々がたどってきた苦難の道を垣間見ました。無関心から脱することがスタートライン、かな。2013/12/15

ひい

0
鳩沢佐美夫の描く祖母の在り方がとても生き生きしている。アイヌとしての信仰と、外からもたらされる信仰の混交に対する主人公の視線など。 必要があれば女性でもパスイを持ったり、神に弁舌を披露したりするんだなぁ。 萱野茂の引導渡しも感動的。2022/03/10

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