講談社文芸文庫<br> 冬の宿

講談社文芸文庫
冬の宿

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  • サイズ 文庫判/ページ数 247p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062900720
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

暗い日々から抜け出し春へ向かう感動の作品。
大学生の「私」が、下宿する一家の暗い日常。不安な世相の中で、「冬」という季節感を背景に見事に描かれた、昭和十年代前半の感動的なベストセラー小説。

内容説明

暗い日常の「冬」の時代を抜けると外は、いつの間にか「春」に彩られていた。感動の名作。

著者等紹介

阿部知二[アベトモジ]
1903・6・26~1973・4・23。作家、英文学者。岡山県生まれ。1927年、東京大学英文科卒。学生時代より短歌・詩・戯曲などを発表。小説・文芸評論の他翻訳も多く、36年「文学界」に「冬の宿」を連載し、単行本になると非常な売行きになる。大学で教えながら、数々の作品を残し、文芸家協会代表として58年、ソビエト訪問、65年、ベトナム反戦統一行動を呼びかける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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しんすけ

16
次のような出だしで始まる。 『……私の記憶はみな何かの季節の色に染まっている。それは、映画のフィルムの一齣ずつがいろいろな色を持っているようなものであるが、…』 たしかに悲しい思い出は冬の色で、愉しい思い出には五月晴れの香で彩られている。 けっして思い出の渦中がその季節の中で演じられたものではないが、そうなってしまうのは人間が季節とは無関係ではないからではないか。それは「四季がある」日本人だけではなく、生きている限り誰にもある季節感なのではないだろうか。2020/03/11

Shun'ichiro AKIKUSA

7
人物造形がよい。おもしろかった。2021/07/11

JVSTINVS

2
脳病文学・肺病文学の佳作。人物造形もおもしろいし描写もしっかりしていてよいが、戦前英文科三羽烏の伊藤整『得能五郎』シリーズと高見順の短編と比べると暗澹とした空気がめだち、ユーモア志向が薄いのが気にかかる。もっと滑稽にできたら、日本文学では異色のコミックノベルになれたのに……2023/06/23

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