講談社文芸文庫<br> 口福無限

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講談社文芸文庫
口福無限

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  • サイズ 文庫判/ページ数 233p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062900713
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

「人間共通の口福に対する貪欲がなくならない限り、食愛による発明は無限に続くだろう。そして大きく展けるだろう。」梔子や薔薇や牡丹の二杯酢“花肴”、胡麻油粥に金木犀の花びらをふりかけた“心平粥”、鶏卵の黄身の味噌漬け“満月”、海老のしっぽや魚の骨へのこだわり…。酒と美味を愛した昭和の大詩人・草野心平が、生活の折々に親しみ味わった珍味美肴の数々を詩情で掬って綴る、滋味溢れるエッセイ集。

目次

1 私の口福論(一年三百日;私が創った店 ほか)
2 わが酒菜のうた(前口上;海 ほか)
3 味の風土記(前口上;桂花栗子湯 ほか)
4 料理談義(素人の庖丁談義;海のもの山のものうまいもの)

著者等紹介

草野心平[クサノシンペイ]
1903・5・12~1988・11・12。詩人。福島県生まれ。慶応義塾普通部を中退し、1921年中国広東に渡り、嶺南大学に学んだ。同地で詩作を始め、同人誌「銅鑼」を創刊。帰国後は、放浪と貧困の連続で、焼き鳥屋や校正の仕事をしながら、28年詩集『第百階級』を刊行、アナーキズム的傾向を示す。35年中原中也らと詩誌「歴程」を創刊、多くの後進を育てた。48年『定本 蛙』を発表、翌年第一回読売文学賞受賞。詩作の傍ら、宮沢賢治、八木重吉などの発掘、紹介にも尽力(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ハルト

5
どこまでも無限に感じられる食べることへの愛おしみ。食べることすなわち幸福ならぬ口福であるということを、ごく自然に体現していて、読んでいるほうもその滋味のお裾分けにあずかった気持ちになる。こだわりながらも気取らない。マイペースに、好奇心の赴くまま好きなように食べる。自然派草野流の御馳走の数々。特に花の御馳走たちが口の中で薫りたつようで食べてみたくなりました。同じ食道楽者として名高い開高健さんとの対談もとてもおもしろかったです。濃ゆい。食べることすなわち生き方を実感。2012/07/19

夏野菜

3
賢治の童話を続けて読んだので、賢治に縁ある草野心平のエッセイを読む。沢ガニをハサミを噛みちぎり生きたまま喰う。山椒魚も生きたまま飲み込む。花はサンドイッチにして喰うし、そこら辺の野草も生でばりばり食べる。コーラのキャップを捨てるよりよっぽどワイルド。食べるという営みは奥深い。2013/06/11

onisjim

0
そもそもこの人はなぜその辺に咲いている花をあたりまえのように食うのか、気になるというか薄気味悪ささえある。いっぽうで、じまんの手料理紹介は酒の肴むきのものが多くて、なかなかおもしろかった。卵の黄身の味噌漬けなんかも出てくる。うまそう。2013/06/07

unknown

0
納豆に卵と塩を混ぜて2~3日放置すると、異様なねっとり感溢れる味わいのものが出来るそうなので今度試してみたい。2011/12/29

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