講談社文芸文庫<br> 遠景・雀・復活―色川武大短篇集

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講談社文芸文庫
遠景・雀・復活―色川武大短篇集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 278p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062900300
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

父の末弟で、受験に何度も失敗し、自らの生を決めかね悲しい結末を迎える若き叔父・御年。彼の書き残した父宛の手紙で構成した「遠景」をはじめとし、夢の手法をまじえて綴った「復活」ほか、生家をめぐる人々をモチーフとした作品を中心に、ギャンブル仲間であった一人の男の意外な出世と悲惨な転落を追った「虫喰仙次」など、全九篇を収録。戦後最後の無頼派作家の描く、はぐれ者たちの生と死。

著者等紹介

色川武大[イロカワタケヒロ]
1929・3・28~1989・4・10。小説家。東京生まれ。東京市立第三中中退。終戦後は博打と無頼の日々を送る。1961年、「黒い布」で中央公論新人賞。69年より“阿佐田哲也”名で連載を始めた「麻雀放浪記」のシリーズが大ロングセラーとなり、大衆作家としての地歩を固める一方、「生家へ」など本名の“色川武大”名義の純文学作品でも高い評価を得た。77年、「怪しい来客簿」で泉鏡花文学賞。78年、「離婚」で直木賞。82年、「百」で川端康成文学賞。89年、「狂人日記」で読売文学賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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松風

21
私自身の劣等感を、「這い上がれない」感覚と、しがみつく思いを、なぜ、こんなにも的確に言葉にしてくれるのか。2015/08/23

刳森伸一

3
生きるのが下手な人間の肖像という感じの短編小説を9篇収録。切なすぎて、作中人物に対してなぜそんな生き方しかできないのかと聞いてみたくなるような作品が多い。特に『陽は西へ』と『虫喰仙次』がいい。2014/06/20

こなやぎ

3
雀の戸籍。そのフレーズに痺れました。私も50時間くらい寝なかったらこんな文章が書けるだろうか。 彼は虚実のあわいを体験的に書くのではなく、体験して書くのだ。2008/11/10

バーベナ

2
博打うちから会社のナンバー2にまで成り上がる「虫喰仙次」。でもその末路は・・。色川さんには、最期まで見届ける(見届けてしまう)視線がある。そこが怖いけれど、凄いなと思う。「九段の杜」も同じく。昔の懐かしみを、ずるずるとひきずって生きるのは、並大抵なことではできない。気が狂いそう。2014/04/23

eleking

2
「虫喰仙次」は結局初読だっけか。中小規模の会社勤め人は読んで身につまされる部分も多い。これもまた〈しのぎ〉が描かれている一編であろう。「復活」の現実と地続きの幻想も作者らしい味。2013/06/08

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