内容説明
一葉研究の第一人者であり、晩年『接木の台』『暗い流れ』など、人間の業を見つめ、味わい深い世界を描いた作家・和田芳恵の出発は、編集者であった。昭和六年、新潮社に入社、大衆雑誌「日の出」の編集に携わり、菊池寛、吉川英治、尾崎士郎、小島政二郎ら多くの作家とつき合い、小説の純化のために奔走した。「その時の目撃者として、生き証人になることを心がけ」綴った回想録は、当時の貴重な文壇人物誌となった。
目次
“大学は出たけれど…”
新潮社に入社
雑誌「日の出」の編集者となる
谷譲次・林不忘・牧逸馬の死
光る長谷川伸の話術
偉丈夫、山岡荘八
漂泊の人、三上於菟吉
大樹、菊池寛
武田麟太郎、林芙美子
大衆雑誌の舞台裏の人たち
堤千代の『小指』に賭ける
生活の名人、川口松太郎
『人生劇場』の尾崎士郎
島木健作、子母沢寛、野呂栄太郎
永遠の青年、吉川英治
空想部落の人々と小島政二郎の周囲
原稿料の相場
しのび寄る戦時気分
新潮社の四十周年
ふたりの女流作家
真杉静枝の愛
近松秋江の執念
嵐の前の文学者
編集者生活の結末
著者等紹介
和田芳恵[ワダヨシエ]
1906・4・6~1977・10・5。小説家。北海道の生まれ。1931年(昭6)中大独法科卒業。新潮社に入社、『日本文学大辞典』編纂、「日の出」編集。編集のかたわら同人雑誌「山」創刊、「格闘」を発表し芥川賞候補となる。41年新潮社退社、『樋口一葉』を出版。その後も一葉研究を続け、全集の編纂他一葉関係の執筆に従う。56年『一葉の日記』(筑摩書房)で日本芸術院賞受賞、63年『塵の中』で直木賞受賞。著書に『接木の台』(読売文学賞)『暗い流れ』(日本文学大賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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佐島楓
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