内容説明
昭和を代表する演評家、推理作家、俳人の戸板康二はまた、歌舞伎、映画、雑誌など、幅広い世界で蒐集した「ちょっといい話」を絶妙な筆待で描く無類のユーモリストだった。数多の著書から六十代に書かれた『回想の戦中戦後』『思い出す顔』の二作品二十三篇を抄録。師折口信夫も市井の無名の人も同じあたたかい目線で捉えたエスプリ溢れる文章は、読む者に幸福感を与えてやまない。時代と人への芳醇なメモワール。
目次
1 回想の戦中戦後(抄)(前説・ふるさと東京;終戦の日の前後;危機に瀕した歌舞伎 ほか)
2 思い出す顔(抄)(「スヰート」と「三田文学」;二人の新聞記者;砧撮影所;酒席の紳士淑女 ほか)
著者等紹介
戸板康二[トイタヤスジ]
1915・12・14~1993・1・23。演劇評論家・小説家。東京生まれ。芝居好きの父に連れられ幼時より歌舞伎に親しむ。1932年、慶応義塾大学文学部予科入学。歌舞伎研究会に入り「三田文学」等に劇評を発表。国文科に進み折口信夫に師事、大学院時代に知る久保田万太郎と共に生涯の師となる。明治製菓宣伝マン、教員を経て44年、日本演劇社入社。戦中戦後の激動する演劇界をジャーナリストとして目撃。50年日本演劇社退社後は、演劇評論家として旺盛な活動をする一方、江戸川乱歩の勧めで推理小説に手を染め、60年「團十郎切腹事件」で直木賞受賞。該博な知識と広い交友から生まれた人物誌「ちょっといい話」は流行語になった。日本芸術院会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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