内容説明
日本人にとってキリスト教信仰はいかに可能か、という問題意識のもと、戦時下より親交のあった堀辰雄の作品を対象に、その純粋性から宗教性へ、さらには古典的汎神論の世界へと考察を深めた最初期の評論「堀辰雄覚書」、また、リベルタンとしての歩みを進めることで、キリスト教規範と闘い、性と自由の先見的な思想を掴んだサドを赤裸に描いた「サド伝」を収録。著者の表現の根幹を知るための貴重な一書。
目次
サド伝
堀辰雄覚書
著者等紹介
遠藤周作[エンドウシュウサク]
1923・3・27~1996・9・29。小説家。東京生まれ。幼年期、満州で育つが、両親の離婚で、神戸に戻る。カトリック信者であった伯母の影響で受洗。慶応大学文学部仏文科卒業後、1950年よりフランス留学。53年2月帰国。この留学時代が作家としての原点となる。55年、「白い人」で芥川賞受賞。主な著書に『海と毒薬』(新潮社文学賞、毎日出版文化賞)、『沈黙』(谷崎潤一郎賞)、『キリストの誕生』(読売文学賞)、『侍』(野間文芸賞)、『深い河』(毎日芸術賞)等(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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菜穂
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図書館本📖´- 難しかったけど拝読できて良かったと思えた一冊。 つまみ読みですが…💦 「風立ちぬ・菜穂子/堀辰雄」を再読する楽しみができました。 詳しい感想はブログに書きました✏️ https://note.com/mblaq0825/n/nda9efe68180e2023/12/17
笠井康平
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やっぱ卒論って自己解説と決意表明になるよなぁ。2014/04/12
とも
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サドの人生勉強になります、、、やはり不運な人生でした、、2012/06/21
j o
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「サド伝」のみ読了。 伝記8割サド論2割という感じで、両側面共に読みやすい。サド論は、ボーヴォワールやクロソウスキーに依拠しながら平明な文体で書かれている。サドのマゾヒズム的行為とマゾヒストのマゾヒズム行為の違い、処女憎悪の理由、性の社会化論など、興味深い論点がいくつかあった。2024/10/19