講談社現代新書<br> 健康格差―あなたの寿命は社会が決める

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講談社現代新書
健康格差―あなたの寿命は社会が決める

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  • サイズ 新書判/ページ数 200p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062884525
  • NDC分類 498
  • Cコード C0236

出版社内容情報

所得や家庭環境などにより、自らの健康を維持する最低限の条件が蝕まれる。命の格差とも言うべき「健康格差」の危機的な事態に迫る。低所得の人の死亡率は、高所得の人のおよそ3倍―――。

「健康格差」は、健康に対する自己管理能力の低さが原因ではなく、生まれ育った家庭環境や地域、就いた職業や所得などが原因で生じた、病気のリスクや寿命など、私たち個人の健康状態に気づかぬうちに格差が生まれてしまうことを指します。

 私たちは不健康・不摂生な人々に対して安易に「自己責任論」を振りかざしてしまいがちですが、現在ひそかに進行しているのは、所得や家庭環境などにより自らの健康を維持する最低限の条件すら蝕まれつつあるという異常事態です。まさに《寿命の格差》とも言うべき「健康格差」の危機的な実態に、NHKスペシャル取材班が総力を挙げて迫ります。

「健康格差」を放置していると、将来的に社会保障費が爆発的に増大していく。私たちが「健康格差」に無関心ではいられないのは、膨張する社会保障費への対策は喫緊の課題だからです。そして、私たちの誰もが健康を損なう事態になりかねないからです。  

 年金・雇用・介護・少子化など、NHKスペシャル取材班は様々なテーマを取り扱ってきましたが、「健康格差」はこれらのすべての根本に結びつく問題であることがわかりました。社会と健康の問題を深く考えるうえで必携の1冊です。


<目次>

はじめに
第1章 すべての世代に迫る「健康格差」
第2章 秋田県男性が短命な「意外な理由」
第3章 イギリスの国家的対策と足立区の挑戦
第4章 「健康格差」解消の鍵は?
第5章 白熱討論! 「健康格差」は自己責任か
第6章 拡大する日本人の「命の格差」
おわりに

はじめに
第1章 すべての世代に迫る「健康格差」
第2章 秋田県男性が短命な「意外な理由」
第3章 イギリスの国家的対策と足立区の挑戦
第4章 「健康格差」解消の鍵は?
第5章 白熱討論! 「健康格差」は自己責任か
第6章 拡大する日本人の「命の格差」
おわりに


NHKスペシャル取材班[NHKスペシャルシュザイハン]
著・文・その他

内容説明

寿命って自己責任ですか?低所得者の死亡率は高所得者より3倍高い。急増する単身高齢者の健康を社会はどう守れるか?なぜ秋田県男性は全国平均に比べて「短命」なのか?健康寿命が東京23区最短レベル・足立区が取り組む画期的プロジェクトとは?老若男女、誰もが当事者になり得る「命と健康」のほんとうの問題。

目次

第1章 すべての世代に迫る「健康格差」(現役世代に迫る危機;高齢者に迫る危機 ほか)
第2章 秋田県男性が短命な「意外な理由」(「不健康な期間」の地域差は最大で3・6年;平均寿命の差を生み出す「食習慣」 ほか)
第3章 イギリスの国家的対策と足立区の挑戦(脳卒中が激減!賢い「健康格差」解消法;塩分はこっそり減らせばわからない ほか)
第4章 「健康格差」解消の鍵は?(ハイリスク・アプローチの限界;ポピュレーション・アプローチの可能性 ほか)
第5章 白熱討論!「健康格差」は自己責任か(「健康=自己責任論」の背景;自己責任論にみる社会の歪み ほか)
第6章 拡大する日本人の「命の格差」

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ねこ

146
日本は格差が少ないと言われていたのは随分昔。アメリカや中国ほどではないが日本でも格差が拡大しつつあります。理解はしていましたが、経済格差か健康格差、寿命格差に連動している事実を突きつけられると背筋が凍ります。日曜日、この本をマグドナルドで読んでいたら近くでお母さんと小学校低学年の女の子が食事をしていました。2人ともそれぞれのスマホを見ながら会話も無く山盛りポテトを黙々と食べていた2人はとても太っていました。貧困層の子どもは痩せていると連想していましたが太っているそうです。明確な解決策は無く暗い気持ちです。2023/02/20

ゆう。

45
この本は、病気になることは自己責任なのか丁寧な取材を通じて読者に問題提起してくれています。低所得者層や貧困層ほど糖尿病をはじめ病気になるリスクは高まり、これは子どもから高齢者までのすべての世代に当てはまる社会問題なのだと思いました。「生活習慣病」というラベルが自己責任ととらえられる一つの要因なのかもしれません。誰もが病気になるリスクを抱えているからこそ、自己責任とせず、社会的に解決しなければならないのだと思いました。良書です。2017/12/11

James Hayashi

34
健康問題など個人の責任だとばかり思っていたが、そうではないらしい。所得、雇用形態、家族構成、地域により健康格差が起こっているという。風が吹けば桶屋が儲かるでないが、諸要因が我々の健康を害していく。富める者と貧しき者の食い物や生活習慣など薄々知ってはいたが、現実を突きつけられると有無も言えぬ。日本は改革を迫られている。ただ指をくわえているだけでは超高齢社会(65歳以上が21%以上)を生きていけない。政府がきっちりプラン立て政策として実行していくべき。2017/12/02

こなつ

28
社会構造が変わってきた現代では、旧態依然の考えのままでは「健康格差」は縮まらない。「健康格差」の問題を放置するのは国民の生存権をも脅かす大きな問題になることだけでなく国家が国家の役割を果たさない状態。もはや日本は国家に値しない国になる。今一度、憲法25条で定められている生存権から立ち返り足腰の弱りきった日本国家の立て直しからはじめる必要がある。健康格差は個人レベルの問題ではない。国家レベルの重大な問題である。といえど、国家レベルで変革がなされていない現在、個人レベルで出来ることしたい。2018/05/02

アイスマン

21
健康格差は自己責任か!? 日本で貧困家庭に属する子どもは6人に1人。 彼らは経済的な理由で炭水化物中心の食事になり、結果として肥満や糖尿病になりやすい。 また、教育機会が少なく、卒業後は非正規雇用となる傾向にあり、所得が少ないが為に炭水化物中心の食生活となる、という負のスパイラルに入る。 このスパイラルを自己責任と切り捨てる事は難しいだろう。 他方で、一般家庭に生まれ育ち、一定の教育機会に恵まれたのにも関わらず、本人の無自覚で大きく健康を害した人に対しては自己責任と解する事はできるのではないか。 2018/05/04

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