出版社内容情報
なぜ『存在と時間』は20世紀を熱狂させたのか。「実存」や「存在」に関する問いかけは人生にどのような意味があるのか等に答える。『存在と時間』は20世紀に大きな波紋を投げかけ、現在も広く読まれている書物である。その世界概念の重要性。 「不安」を引き受け、「実存を遂行」する「現存在」という言葉。「存在」と「時間」の関係など哲学の意味を原点から問う本書は、入門書であり決定版である。ハイデガーの哲学界での重要性も探る。
ハイデガーの主著『存在と時間』は、サルトル、レヴィナス、デリダ等のフランス現代思想や、アメリカのネオ・プラグマティズムに大きな影響を与え、ドイツのフランクフルト学派からは克服すべきドイツ的な思考の象徴と見なされてきた。この著作についてはこれまで多くの解説書が出されてきたが、そのほとんどは、アリストテレスや中世スコラ哲学、新カント学派、フッサール現象学、ユクスキュルの生物学等からの影響や相関関係をめぐる専門的な問題に集中しすぎるきらいがあった。それがどうして当時のドイツやフランスの若者を引き付けたのか、どうして現在でも多くの哲学者を魅了しているのか、彼の思考の枠組みは従来の哲学とどう違うのか、「実存」や「存在」に関する彼の問いかけや「ひと」に対する批判は、普通の人の人生にとってどういう意味があるのか、最も知りたいことについてストレートな説明を与える入門書は少ない。本書は、影響関係や他のテクストに関する記述はできるだけコンパクトにして、『存在と時間』の主要な――専門家でない哲学学習者にとっても興味深い――箇所を細かく読解しながら、このテクストがそもそも何を問題にしているか明らかにすることを試みる。
はじめに──ハイデガーは何故重要なのか?
第一章 何故、「主体」ではなく、「現存在」と言うのか?
第二章 「ひと=世間」の何が問題なのか?
第三章 「死に向かう存在」にとっての「良心」とは?──「覚悟」するのは誰か?
第四章 「存在」と「時間」はどういう関係なのか?
終 章 『存在と時間』の残した課題
あとがき
仲正 昌樹[ナカマサ マサキ]
著・文・その他
内容説明
なぜハイデガーは今でも重要なのか?20世紀最大の問題作を攻略する。
目次
第1章 何故、「主体」ではなく、「現存在」と言うのか?(「存在」への問い;「我あり」から「存在」そのものへ ほか)
第2章 「ひと=世間」の何が問題なのか?(「共同存在」としての「現存在」;「ひと」の「空談」 ほか)
第3章 「死に向かう存在」にとっての「良心」とは?―「覚悟」するのは誰か?(死に向かう存在;死と投企と自由 ほか)
第4章 「存在」と「時間」はどういう関係なのか?(理解と時間性;時間性と歴史性 ほか)
終章 『存在と時間』の残した課題
著者等紹介
仲正昌樹[ナカマサマサキ]
1963年、広島県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程修了(学術博士)。現在、金沢大学法学類教授。文学や政治、法、歴史などの領域で、アクチュアリティの高い言論活動を展開している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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