講談社現代新書<br> 指揮官の条件

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講談社現代新書
指揮官の条件

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  • サイズ 新書判/ページ数 220p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062883399
  • NDC分類 397.21
  • Cコード C0231

出版社内容情報

被災者救援他で最も頼れる組織、自衛隊。かつて海自を率いた指揮官が明かすリーダーの条件、強い組織の作り方、部下の育て方とは責任を取ろうとしないリーダーが組織を率いれば、組織に属する人間たちも忠誠心、帰属意識を持ちようもない……。東京五輪関連の問題や、大企業の不祥事など、「もろい組織」の存在が続々と明らかになっています。強い組織を作るにはいったいどうすればよいのか? リーダーとはどうあるべきか?
著者は元海上自衛隊幹部。東日本大震災という近年最大の国難に際して、被災者救援活動や福島第一原発事故後の対応で、海上自衛隊の指揮官を務めた人物。さかのぼってイラク戦争勃発のときには、インド洋で護衛艦隊を率いていました。先の見えない荒海を行く「船長」として、部下をまとめ、確たる実績を残しています。
「組織への忠誠心は一朝一夕で醸成できない」「有事に信用できる人間は、細部まで誠実である」「厳しさこそ優しさである」「自分の言葉で話せないトップは責任を取らない」「組織はどんどんシャッフルするべき」「想定外など甘い」「物事は地球儀とともに考えよ」・・・・・・。
真のリーダーなき時代に、正面から「リーダーの条件」「強い組織の作り方」を考察するシンプルで力強い1冊です。

第1章  指揮官の振る舞い
1.『戦艦大和ノ最期』 
2.非常事態における指揮官(東日本大震災 I:指揮所移転)
3.非常事態における指揮官(東日本大震災 II:真水作戦)
4.インド洋派遣 
5.平時における指揮官
6.責任感と使命感
7.士 気
8.指揮官の引き際
9.優しさと厳しさ 
第2章 指揮官の在り方
1.価値観の逆転
2.点と線
3.言 葉
4.不可侵の領域
5.悪い情報
6.たかが電話
7.健 康
8.整列5分前
第3章 強い組織
1.サービス
2.強い組織
3.有事即応
4.栄枯盛衰
5.任務達成の手順
6.任務の付与
7.独断専行
8.情 報
第4章 持続する組織
1.危機管理
2.帰属意識
3.形骸化
4.地球儀
5.充 電
6.端末処理
7.艦長の椅子
8.防衛大学校の教育
9.人材確保 
第5章 人として
1.人間の弱さ
2.人間が食する意味
3.ご先祖様を祀る
4.伝説の海軍士官 
5.運命を引き受ける勇気


高嶋 博視[タカシマ ヒロミ]
著・文・その他

内容説明

「責任を引き受ける」とはどういうことか。海上自衛隊幹部として東日本大震災直後の救援活動と原発事故処理を、インド洋ではテロ対策を統率した指揮官が初めて明かした、「有事に強いリーダーと組織」の要諦。

目次

第1章 指揮官の振る舞い(『戦艦大和ノ最期』;指揮所移転―東日本大震災という非常時の指揮官1 ほか)
第2章 指揮官の在り方(価値観の逆転;点と線 ほか)
第3章 強い組織(サービス;強い組織 ほか)
第4章 持続する組織(危機管理;帰属意識 ほか)
第5章 人として(人間の弱さ;人間が食する意味 ほか)

著者等紹介

高嶋博視[タカシマヒロミ]
海上自衛隊元横須賀地方総監。東日本大震災直後、被災者救援、原発事故対応で海上自衛隊の指揮官を務めた。昭和27年(1952)香川県生まれ。昭和46年香川県立三本松高等学校卒業。昭和50年防衛大学校卒業(第19期生)、海上自衛隊に入隊。平成5年(1993)在ノルウェー防衛駐在官、平成13年護衛艦隊司令部幕僚長、平成14年第1護衛隊群司令(インド洋派遣:補給支援活動)、平成16年海上幕僚監部人事教育部長、平成19年護衛艦隊司令官(海将)、平成20年統合幕僚副長を経て平成22年横須賀地方総監(東日本大震災:救援活動に従事)。平成23年8月退官。現在、日本無線株式会社顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鐵太郎

15
著者は、高嶋博視(たかしま・ひろみ)元海自横須賀地方総監・元海将(戦前の階級だと海軍中将)。3.11のとき、自衛隊の総合指揮を取った人。自らの能力の無さを自覚しつつ、軍人、指揮官として、どうあるべきかを常に考えた36年間の自衛官生活から学んだあれこれの雑記(と説教w)、かな。左の人から叩かれるネタはてんこ盛り。でも、日本の国家を守ろうとして邁進し苛酷な作戦には従事した武人がいたことは、この国の未来にとって明るい材料だよね。某空幕僚長の醜態で自衛隊はあんなのばかりと思われちゃかなわんもの。(笑)2016/05/26

おせきはん

11
海上自衛隊元横須賀地方総監の著者が、人の上に立ち、人そして国を守るに当たっての心構えを綴っています。海上自衛隊固有のことだけでなく、他の組織に当てはまることも多く書かれていました。退職したいと言った部下とのやりとりから「人間には、他人に話したくない、触れてほしくない領域がある」「いかに自分が誠意をもって接しているつもりでも、ときにはそれが理解されないことがある」とわかったと書かれていた箇所には、大いに共感しました。2015/12/08

むた

10
重みが違う。自衛隊の幹部であった著者が海上自衛隊は海軍であり自分は軍人だと言い切っている。自衛隊は軍隊か否かの議論は置いといて、やはり中にいる人の仕事は当然有事に備えることであってそれを軍隊と呼ばずして他に言いようがない。有事に備えるのであるから一般の企業などとは全く考え方が異なるかといえばそんなことはない。組織を率いる、また人を活かすという点ではむしろお手本とするべき部分がたくさん。想像以上に得るものが多い読書体験となりました。2018/08/12

鬼山とんぼ

8
強烈。指揮官とはリーダーシップという意味だろう。企業と政治、軍隊、スポーツにおいてそれぞれ置かれた責務や報酬などの事情が違うから、いっしょくたにするのは乱暴だ。しかし体を張って頑張る現場担当者の上に立つものには、共通する、規範、哲学、美学といったものはあるはずだ。それがないなら下の者は頑張る目的が見えず、真面目に従う気が起きないだろう。数多くそういう本が出されてきたが、この本の価値は、指揮官は尊敬、厚遇されてしかるべきという、現実的で当然のことをあえて言葉にしていることである。指揮官という重責は辛いのだ。2024/06/15

モモのすけ

8
メモ:(愛国心とは少し違う)自分に与えられた任務を確実に遂行するという「使命感」だと思う。2015/10/21

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