出版社内容情報
瀬木 比呂志[セギ ヒロシ]
著・文・その他
内容説明
本書は、一人の学者裁判官が目撃した司法荒廃、崩壊の黙示録であり、心ある国民、市民への警告のメッセージである。
目次
第1章 私が裁判官をやめた理由―自由主義者、学者まで排除する組織の構造
第2章 最高裁判事の隠された素顔―表の顔と裏の顔を巧みに使い分ける権謀術数の策士たち
第3章 「檻」の中の裁判官たち―精神的「収容所群島」の囚人たち
第4章 誰のため、何のための裁判?―あなたの権利と自由を守らない日本の裁判所
第5章 心のゆがんだ人々―裁判官の不祥事とハラスメント、裁判官の精神構造とその病理
第6章 今こそ司法を国民、市民のものに―司法制度改革の悪用と法曹一元制度実現の必要性
著者等紹介
瀬木比呂志[セギヒロシ]
1954年名古屋市生まれ。東京大学法学部在学中に司法試験に合格。1979年以降裁判官として東京地裁、最高裁等に勤務、アメリカ留学。並行して研究、執筆や学会報告を行う。2012年明治大学法科大学院専任教授に転身。民事訴訟法等の講義と関連の演習を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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mitei
269
やや説明が冗長に感じたが、元裁判官の生の声が書かれていてよかった。いろんな悪い話があるなぁと思った。2015/08/09
えちぜんや よーた
111
本文中さかんに『イヴァン・イリイチの死』(レフ・トルストイ作)という物語が登場する。裁判所判事で順調に出世した主人公は、次第に死の恐怖が迫り、読んでてこっちが辛くなるという内容。その作品からの比喩がタイトルにある「絶望の」という言葉と見事なまでにマッチングしている。ご本人もおっしゃるように、裁判官としての道ではなく、人文・社会学系統の学者と言う道も「あり」だったかもしれない。2014/04/29
Willie the Wildcat
71
満足度は「18.6%」!?効率性の追求から出世レース等による官僚体質。階層性、閉鎖性、肩叩きによる早期退官など、どこの世界も同じだなぁと感じる。挙句の”ラットレース”・・・、辛らつだなぁ。確かに時代に即した変化は認めるも、法治国家としての”ボトム”はまだ捨てたものではないと信じたい。著者の和解における苦い経験に、現場の苦労という観点で共感。一方、Specialist vs. Generalistは微妙。一定の後者経験は必要も、前者があっての話という気がする。2016/07/23
k5
67
司法シリーズ②。これもスキャンダラスなタイトルですが、『裁判官失格』とは異なり、中身もスキャンダラスでした。自分のいた組織を糾弾するというのは、悪口になってしまいやすく(この本も章のタイトルで「心のゆがんだ人々」とか書いてますし)なかなか難しいですが、かなり論理的で正当なのではないかと思いました。ただアメリカの裁判所の方がいいという論法はスコット・トゥローの小説を読んだり、最近のニュースを見ているとそうでもないかと思ってしまいます。2022/07/24
リズ
63
ネット読書にて、完読。司法の世界。人を裁く裁判所。声があがらなかったら、何もおこらず期待を裏切る。書類の処理仕事的な、事務仕事。権力者による裏切りが、行われていた。残忍極まりない。2015/07/05