出版社内容情報
鴻上 尚史[コウカミ ショウジ]
著・文・その他
内容説明
会社、学校、家族、ネット、電車内―どこでも「うんざり」してしまう人へ。「空気」を読まずに息苦しい日本を生き抜く方法。人気の脚本・演出家がこの10年間、ずっと考えてきたことの集大成。
目次
第1章 「空気を読め!」はなぜ無敵か?
第2章 世間とは何か
第3章 「世間」と「空気」
第4章 「空気」に対抗する方法
第5章 「世間」が壊れ「空気」が流行る時代
第6章 あなたを支えるもの
第7章 「社会」と出会う方法
著者等紹介
鴻上尚史[コウカミショウジ]
作家・演出家。1958年愛媛県出身。81年に劇団「第三舞台」を結成し、演劇活動をスタート。87年「朝日のような夕日をつれて’87」で紀伊國屋演劇賞団体賞、95年「スナフキンの手紙」で岸田國士戯曲賞を受賞。現在は、プロデュースユニットKOKAMI@networkと新たに若手の俳優を集めて旗揚げした「虚構の劇団」での作・演出が活動の中心。舞台公演のかたわら、エッセイや演劇関連の著書も多く、ラジオ・パーソナリティ、テレビの司会、映画監督など幅広く活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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KAZOO
111
鴻上さんが中高校生向けに阿部謹也先生の「「世間」とはなにか」と山本七平さんの「「空気」の研究」を題材にして日本人に特有だと思われる「世間」「空気」についてわかりやすくご自分の言葉で説明しておられます。またさらに発展していじめなどについても触れられています。これを小説化したものが「青空に飛ぶ」なのでしょうね。2018/01/01
kinkin
101
ここ数年「空気」という言葉に振り回され焦り怯えることが増えているのではないか・著者はこの「空気」について考え続けるているうちに「空気」と「世間」は密接に関係がありその正体を突き止め「空気」と「世間」に振り回されない方法を探るための本。また「世間」と「社会」の違いについても書かれており考えることが出来た。一度読みでは理解できないことも多かったgあ「空気」「世間」「社会」を知り意識することでこの本の目的に近づくことができると思った。再読したい。図書館本2018/01/09
ヒロミ
72
「空気を読め」というのは「世間に従え」と同義であると言う鴻上氏。非常にクレバーな内容なのに読みやすい文章で興味深く読んだ。日本人は壊れかけた「世間」という共同体の中におりアメリカ人は自立心があるのではなく「神」という強固な世間を一人ひとりの内に持っているため己の神から許しを得れば自由に行動出来るというのが面白かった。一神教ではない日本が消えゆく「世間」にしがみつこうとして生み出したものが極端なナショナリズムであるという点には唸った。「孤独と不安のレッスン」を読んで以来の自分内鴻上ブーム、まだ続きそうです。2016/10/15
ムーミン
37
人間がどこまで最低になれるかの実験を続けているのがインターネットですが、同時に、まだ見ぬ人と出会う可能性を広げてくれるのもインターネットなのです。…肯定面と否定面が際立っているのです。だからこそ、安易に近づくと大怪我をするのです。2020/02/01
KJ
36
言葉によって物事を整理し俯瞰する意義は非常に大きい。「世間」と「社会」。この二つを軸に日本人や日本社会を見た時、急に視界が開けた様な感覚を味わった。人は不安になると、何かしらの支えを求める。それが欧米においては「神」になり、日本においては「世間」になる。そして「世間」の崩壊を補う様に現れるのが「空気」。不安が故にそれにしがみつこうとすればするほど、逆にそれに縛られ不自由になる。自分が今いる「世間」という世界の外側に、さらに大きな「社会」という世界が広がっている事を意識すれば、人はより生き易くなるのだろう。2014/09/06
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