内容説明
反米主義という現象から、まともなアメリカ批判、対米経験からくる、また出来事への反応としての反米感情などを削ぎ落としてみると、反米主義の内実は、資本主義システムのなかで大量消費文化の性質である浪費と破壊と格差をいかに抑制するかという望ましい資本主義をめぐる自分探しである、といえるのではないか。政治・経済・文化のアメリカ化に世界が抵抗している。
目次
第1章 反米主義をつかまえる(素朴な疑問;ブッシュの罪;反米主義現象のとらえ方 ほか)
第2章 アメリカニゼーションの恐怖(無意識のアメリカ化;文化は商品か;ハリウッドはアメリカ化の先兵か ほか)
第3章 屈折した心理―日本の場合(人種(主義)という通奏低音
排日移民法と原爆投下
「アジア主義」の気分 ほか)
著者等紹介
近藤健[コンドウケン]
1933年生まれ、国際基督教大学卒業。毎日新聞社入社後、サイゴン特派員、ワシントン特派員、外信部長、ワシントン支局長、論説委員などを務める。退社後は国際基督教大学教授、愛知学院大学教授を務める。専門はアメリカ研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おらひらお
2
2008年初版。基本的に引用が多く、著者の分析というか見解が少ない一冊でした・・・。引用された著者の考え方を知るには良いのですが、ちょっともったいない。2014/11/11
兵衛介
1
反米本かと思ったら反米という現象を客観的に考察している生ぬるい本だった。アメリカが嫌われる理由についてあれこれ論じてはいるが何となく散漫な印象。著者の主観も時たま顔を覗かせる。2010/02/16
オランジーナ@
0
反米主義についての考察で著者の主観はあまり出てない。 新書にしては硬い文章だったので売れなかったと思われる。2014/09/20
へみ
0
作者のいう『無意識のアメリカ化』をもアメリカニゼーションに含める必要はないのではないかと思った。無意識だから、アメリカが先駆者だから、を理由にどんな事象もアメリカニゼーションにこじつけられてしまう気がする。ブッシュ政権末期の頃の反米の雰囲気が出ている。2013/05/10
わすけ
0
なぜ「反米感情」と言わず「反米主義」というのか、といった言葉の定義から、「反米主義」という言葉が生まれた背景や意味、感情など、「反米」とはどういうものかを多角的に分析しています。最近の内容の薄い新書とは一線を画する読み応えがあります。2008/11/18
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