講談社現代新書<br> 脳のなかの身体―認知運動療法の挑戦

電子版価格
¥616
  • 電子版あり

講談社現代新書
脳のなかの身体―認知運動療法の挑戦

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 254p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062879293
  • NDC分類 493.73
  • Cコード C0247

出版社内容情報

脳神経の復元力を活用し運動麻痺を克服する認知運動療法を、哲学的身体論や脳科学を駆使して紹介。最先端療法の実践と未来。リハビリテーションに奇跡はない、しかし進歩はある──「この手足はなぜ動かないのか」。身体にのみ目を向けた旧来の運動療法は、脳卒中片麻痺患者の回復への期待に応えることができず、敗北を重ねてきた。損傷しているのが神経回路網なら、治療すべきは脳であり、「中枢神経系」の再生をはかるべきである。イタリアで産声をあげた認知運動療法の確かな歩みは、ここに始まった。すべては人間再生のために。

序章 怪物との闘い
第1章 脳損傷により身体に何が生じるのか
     運動麻痺/感覚麻痺/身体空間の変質/身体の高次脳機能障害/失われる「私の身体」
第2章 ホムンクルスの脳科学
     脳の表象/ホムンクルス/身体部位再現/身体イメージ/運動イメージ
第3章 脳のリハビリテーション
     人間機械論批判/世界に意味を与える身体/認知運動療法とは何か/運動機能回復は運動学習である/経験は脳を改変する
第4章 認知運動療法によって何が回復するのか
     ある患者の証言/脳卒中片麻痺の回復/運動麻痺と感覚麻痺の回復/身体空間の回復/「私の身体」を取り戻す


宮本 省三[ミヤモト ショウゾウ]
著・文・その他

内容説明

身体論や脳科学を駆使して回復をめざす新療法、脳神経システムを鮮やかに再生する画期的リハビリ法。本書では、「脳のなかの身体」とは何かを論じたうえで、脳損傷によって手足が不自由になってしまった人々に対する認知運動療法の理論と実際を紹介する。我が国におけるリハビリテーション医療の変革とリハビリテーション治療の刷新を提言した。

目次

序章 怪物との闘い
第1章 脳損傷により身体に何が生じるのか(運動麻痺―思うように動かない手足;感覚麻痺―世界を感じ取れない手足 ほか)
第2章 ホムンクルスの脳科学(脳の表象;ホムンクルス ほか)
第3章 脳のリハビリテーション(人間機械論批判;世界に意味を与える身体 ほか)
第4章 認知運動療法によって何が回復するのか(ある患者の証言;脳卒中片麻痺の回復―随意運動の回復と自然回復 ほか)

著者等紹介

宮本省三[ミヤモトショウゾウ]
1958年、高知県生まれ。高知医療学院理学療法学科卒業。高知医療学院学生部長、日本認知運動療法研究会会長、理学療法士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パスティル

2
脳血管疾患を抱えた方に対する熱い思いが伝わりました。あきらめずに治療を展開する方法論が、やや哲学的な引用も交え書かれてます。納得しました。麻痺を諦めない。従来のリハビリテーションとは違う興味深い本です。2014/05/03

にいにい

1
従来からのリハビリとは異なる認知運動療法の必要性を提唱しています。残された運動能力を使って最低限の生活レベルへの引き上げを図る現状のリハビリテーションでは限界があり、自己の身体を患者に意識させるような脳の再生を考えないと進歩がない、という考えには納得するものがありました。基本的に自分には難しく読むのが苦しかったです。時には哲学書?という部分も多く、きっとロマンチストなはずの宮本さんの文章も時々気になりました。2011/06/18

s_n

0
脳へとアプローチする認知運動療法提言書。脳損傷にまつわるあれこれを復習した感。三章以降は臨床家や理学療法士を志す学生向けか。2016/03/03

Ishida the Brain Damaged

0
イタリアで考案された脳卒中による身体麻痺のリハビリ法の、認知運動療法の概説書。個人的な経験的にこのような考え方は有用であるとは思うのだが、如何せん書き方が衒学的。詩的な抽象的な記述か、やたら専門的な細かい専門用語の羅列しかない印象。筆者はもう少し自分の理解を整理する必要がある。

ひー

0
脳卒中など脳の損傷によって身体が麻痺になった人々の治療には、マッサージやストレッチなどの身体のリハビリではなく、患者の身体への意識を変化させる脳のリハビリ、すなわち認知運動療法をとるべきだという本です。第一章では、右脳に損傷を負った人が左側空間をとらえることができない片側空間無視、手足を切断しているのにも関わらずその存在しない手足を動かす感覚をもつ幻肢などのさまざまな事例から脳と身体の関係性について説明しており、面白かったです。

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/483929
  • ご注意事項

最近チェックした商品