内容説明
日本で悩み続けたことがバカみたいいに思えてきた。バンコクをはじめ増え続ける「外こもり」。彼らがこの生き方を選んだ理由とは。
目次
旅から外こもりへ
東京は二度と行きたくない
人と出会える街
ワーキングホリデーの果てに
留学リベンジ組
なんとかなるさ
これでいいんだと思える場所
死ぬつもりでやってきた
こもるのに最適な環境
帰るのが怖い
ここだったら老後を生きていける
沖縄にて
ラングナム通りの日本人たち
著者等紹介
下川裕治[シモカワユウジ]
1954年、長野県松本市生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業。新聞社勤務を経てフリーに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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常磐条
52
正直、読んでいて明るい気持ちになる本ではないですね(苦笑)。一方で、考えさせられるテーマではあります。海外に渡航して何もしない「外こもり」も、部屋へのひきもりも、結局は「生きがいとは何か」という問題。しかも自分自身、一般的生産社会からはドロップアウトしてしまった身なので、他人事ではない。読後、“孤独の恐ろしさ”を痛感しました。仕事は、金銭を得るためのものであると同時に、血の繋がっていない家族をつくるためのものであると考えたいですね。もちろん、相手もそう考えていないと難しいことではあるのですが。。2016/01/27
サアベドラ
23
数ヶ月日本であくせく働き、1年の残りをバンコク・カオサン通りのゲストハウスや安アパートでダラダラ暮らす人々(「外こもり」「沈没」などと呼ばれたりするらしい)を描いたルポルタージュ。2007年刊。息苦しい日本社会から脱落し、かといって現地の社会に馴染もうとするわけでもなく、のんべんだらりと日々を送っている。フリーライターの著者はこの生き方を否定も肯定もしていないが、東南アジア独特の「ゆるさ」を日本人に紹介した一人として、多少の負い目は感じているようである。10年以上経った今、彼らはどうしているのだろう。2019/02/09
isao_key
17
バンコクに暮らしながら、ほとんど外出せずに過ごす外ごもりの実像を描いた書。同じタイに暮らす者として、実に暗澹たる気持ちにさせる。ここに登場している人は、日本でうまく生きられずにタイに生き場を求めてきた人たちである。小金を貯めては安宿に泊まり、金が尽きるまで住んで、また日本で働いて戻ってくる。その繰り返し。一様に先が見えない。本人も不安を感じているが、タイでの生活のゆるさに身を委ね、半ばやけくそになんとかなる、なんとでもなると思ってしまう。ただタイでもこの先いつまで外国人への寛容さが続くかは分からない。2015/01/24
しげ
9
これは個人の問題なのか、それとも社会の問題なのか。異国に流れ着いた根無し草の彼らは、どんな最期を迎えるのだろう。2014/08/15
sk
8
日本での労働が嫌になってアジアへと逃亡する若者たちのドキュメント。こういう現実が今あるということ。2018/08/30