出版社内容情報
受験を控えたおれの唯一の楽しみは、姉ちゃんが作ってくれる、秘密の夜食。――誰もが通りすぎる、切実だった「あの頃」の物語。
大学受験を控えて勉強に追い詰められた「おれ」のささやかな楽しみは、普段は喧嘩ばかりしている姉ちゃんが作ってくれる、美味しい夜食だった。どんぶりにのってふるふると揺れる半熟卵は、未来を予感してふかす、僕のエンジンのようで……。
表題作「半熟卵のエンジン」ほか、だれかに話すほどでもない、でも、自分にとっては大切だった場所、記憶。
青春時代の、触れたら壊れてしまいそうなエピソードを丁寧に切り取った短編集。
【収録作品】
「うつせみ」:学校に馴染めない僕の避難場所。それは屋上にある、掃除用具を入れるロッカーの中だった。しかしある朝その現場を思いがけない人物に見つかってしまい――。
「笑い猫キック」:公園にある、にやにや笑いの猫の置物に真剣勝負を挑む女子高生の私と、おませな小学生・オトヒコくんとの日々。
「夕陽のすみで待っていた」:誰も使っていない教室の机に書いた落書きから、不思議な文通がはじまって……。
「鈴どろぼうと金の秋」:お調子者のクラスメイトから、「毎週金曜日だけ付き合ってほしい」という謎の告白を受けた私は、彼に協力することにして――。
「半熟卵のエンジン」:大学受験を控えた「おれ」に、ある晩から姉ちゃんが、夜食をつくってくれるようになって――。
内容説明
誰もいない朝の屋上。小さな公園の大きな猫。机の隅に書かれたらくがき。姉ちゃんと食べた、ひみつの夜食―誰もがとおりすぎる、切実だった「あの頃」を新鋭・歩祐作が鮮やかに切り取る短編集。
著者等紹介
歩祐作[アユミユウサク]
1993年生まれ。主に名古屋で育つ。『ティーンズライフ』で第12回講談社BOX新人賞Powersを受賞、デビュー。現在北海道大学農学部に在学中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おれんじぺこ♪(16年生)
しろ
オナミ
(●▲●)とらうまん(*^◯^*)
ミュポトワ@猫mode