講談社box<br> ステレオjct(ジャンクション)

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講談社box
ステレオjct(ジャンクション)

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  • サイズ B6判/ページ数 487p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062838436
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

講談社BOXから“隠れ”本好きに贈る、新人作家デビュー作! 交差しぶつかりあう会話はまるでドストエフスキー?

山道を車は進む。助手席に座ったその人は憎らしいぐらい良い声でちょっとした人生談義をご披露していた。

「……楽しそうにしてりゃあいいんだよ。誰の目にも見えない哲学を誰にも褒められず評価もされないまま孤独に突き詰めるより、他人から笑顔で祝福して貰える程度にありきたりで現世的な幸せってやつをきちんと追求してやろうじゃないか。人生なんてさぁ……要するに、ゲームみたいなものなんだよ。技術を磨くのもレベリングに腐心するのも、結局はただのゲームで無意味で空虚かもしんないけど、そんなただのナンセンスなお遊びでも上手く遊んで楽しんで存分利用出来る方が賢いじゃない。折角与えられた人生なら、隅々知り尽くして遊びつくして全部を究極的に搾りつくして平らげられた方がお得だろ? 哲学なんてさぁ、ソフトを分解して中身のチップと睨めっこしながらゲームの面白さを解明しようと躍起になってんのと同じさ。超馬鹿馬鹿しい。そんな素人根性で機械壊しちゃったりしたら、それこそ本末転倒ってやつだろ? どうすんだよ、そんなの折角の名作も台無しだろ。だから……まぁだから、遊ぶのさ。リアリティーがなくたって、つまんなくたって、上手くいかなくたって糞ゲーだったって――利己的に刹那的に退屈を殺す為に、欲望を満たす為に、存分利用してやるのさ、人生を。そうやって平然と出し抜いてやるんだよ。つまらない世の中を。退屈な人生を。代わり映えのしない存在価値を、ね。強いて言うならそれが無意味な人生に対する復讐にもなるわけだ」

後部座席の私たちは動画サイトの閲覧に夢中で、あいにくそのご高説のほとんどを聞き落としていたわけですが、まあ些末な事ですよね。

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神※を探して秋葉原を彷徨うミウラハジメ(24)。
処女崇拝の是非を池袋で問うアラシヤマシズエ(15)。
楽園を目指して山道を分け入るアニサキホズエ(17)。

三人の「私」と一人の「僕」が語り交わす三編のオムニバス。
橋の上で、広場で、雑踏で交差しぶつかりあう会話、会話、会話
――まるでドストエフスキー?

第15回講談社BOX新人賞Powers受賞作。
これがクールジャパン小説!

※ただしネトゲ上に限る。

#01 Mr.Q?/-1year
#00 xxx/-2years
#02 911!!!/<--imkk

【著者紹介】
1987年生まれ。神戸市在住。2013年に本作「ステレオjct」で第15回講談社BOX新人賞Powersを受賞。

内容説明

毒々しくて真剣な無駄話は、メイド喫茶から現代文学、上京者の孤独、恋のできない腐女子の憂鬱へ―。第15回講談社BOX新人賞Powers受賞作。

著者等紹介

コタニ夕多[コタニユウタ]
1987年生まれ。第15回講談社BOX新人賞Powersを『ステレオjct』で受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

CCC

3
内容の9割ぐらいがオタク的よもやま話というおそろしい構成。ドストエフスキーどうこうも分からんではない。けれど会話の内容自体はあまり目新しいと思えなかった。ネット上での論争を、あまり手を加えない形で取り込んだような印象。話題のバラエティは広いが、ほとんどは深く突っ込まれないし繋がらない。当然散漫。架空の固有名詞の部分、全部実在のものにしてしまえば面白くなったんじゃないかと思う。実際春樹とかカフカの変身ネタにしてた部分は面白かったし。随所から開き直りが感じられたけれど、作者には違う部分で開き直って欲しかった。2013/08/22

ふじさん

2
第十五回Powers受賞作。五百頁にも亘る会話・会話・会話の奔流に酩酊しながら、最後には不思議と爽やかな気分で読み終えた。全篇通してストーリーと呼べる物はほぼ存在せず、分かり易い娯楽性とも程遠い内容。「現代」「今」なんて言葉では大き過ぎる、本当に「一瞬」の空気を切り取った作品世界は小さくもあるが、だからこそ描き得たリアルがあるように思った。十分の一の頁数もあれば書けそうなテーマをここまで引き伸ばして綴った点にこそ、本作の意義はあるのだろう。率直に言うと肌に合わない部分もあったが、非常に熱のある作品だった。2013/11/14

くろう

1
おおぉ。すげぇ疲れた。 最初のパートは楽しく読めたんだけどなぁ。 途中から会話パートが長過ぎて内容があんまり入ってこなくなっちゃいました。 キャラは魅力的で個性的で良かった。 毒舌が凄まじくて読んでて悲しくなったりもしましたが…。 でもイマイチ趣旨の分からない本であった。 終わりも終わりなのか分からなかった…。続かない…よな(´・ω・`)?2013/06/19

とわとわ

0
えんえんと会話し続ける話。 会話は面白いが、最後のほうになると疲れてきた。飽きてきた。 最初は遊園地の中から、顔も名前も知らない相手を突き止めるゲームが中心になるのかなと思ったら、肩すかし。 最初のパートに出てきた、図書館員さんやメイドさんは、どうなったんだろ?2013/10/07

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