出版社内容情報
この世でもっとも美しい存在である「少年皇」が統治する世界。田舎育ちの少年・ナルナは、望まぬままに少年皇を目指すことになり―。
世界中でもっとも美しい少年が、もっとも美しい期間に世界を統治する。その存在を少年皇と呼ぶ――。田舎ぐらしの少年ナルナは、ある日現れたスカウトマンに推薦され、少年皇候補生を養成する学校・通称バラ学に通うこととなった。そこには、我こそは少年皇にならんとする美少年が世界中から集められていて――。
内容説明
田舎町に暮らしていたナルナは、巡礼者の推薦を受け、少年皇候補を育成する学園、通称・バラ学に入学する。そこで待ち受けていたのは個性豊かなルームメイトたちと、去年の春に死んでしまった少年の思い出、そして、神さまに向けて放たれる、一本の矢だった―。少年たちの黄金色に輝く日々をとじこめた心ふるわす青春小説。
著者等紹介
岩城裕明[イワキヒロアキ]
1984年生まれ。『ようこそ、ロバの目の世界へ。』で2009年講談社BOXよりデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みや
21
世界を統治する世界中で最も美しい少年・少年皇を養成する学校が舞台の青春ファンタジー。美少年が500人集まる学校ということで登場人物皆イケメン。それだけでもう幸せ。少女漫画やアニメの雰囲気に近く、キャラクターの魅力が爆発している。青春物もファンタジーも普段読まないのに、彼らのおかげで存分に楽しめた。長髪でちょっとチャラいカマイユくんが特にお気に入り。前半の眩しいキラキラした青春物語も楽しいが、その陰にある闇の部分が少しずつ描かれていく中盤以降が更に良い。後半は心がずっと苦しくて、でもとても清々しかった。2020/08/21
木っ端みじんこ(感想は自分用メモ)
11
【2014_113/★】初読みの作家さん。表紙とタイトルに惹かれて。美しい少年だけが集められた学園。それを統治する少年皇、そして主人公の持つ痕の意味とは…!?もっとディープな印象を持っていましたが、中盤までは割と軽くさらっと読めました。後半は説明的ファンタジー色が強くなって因果関係の把握に少し苦労しましたが…。ルームメイト達もそれぞれキャラが立っていて良かったです。終わり方も個人的に好みでした。2014/07/05
*蜜柑*
9
世界でもっとも美しい少年が、もっとも美しい時期に、全てを統治する少年皇となる。世界中から集められた美少年たち。彼等を管理し、少年皇を輩出する学園を舞台に、青春の日々を描く。事前に耽美入門という感想を拝見したがまさにその通り。小学生〜中学生の頃に読んでいたら、そのまま耽美入門していただろう。世界樹、少年皇の美しさに隠されていた残酷な真実。設定が大好物なだけにもう少し若いときに出会いたかった。2023/09/12
アキナ
6
「少年皇」となるはずだった美しい少年はどうして死んだのか。死んだ少年のことを調べるうちに、少年皇の存在意義や世界のしくみまで物語は展開していきます。終章、彼だけ活躍の場が少なかったように感じるのはそういう訳だったのかな。長野まゆみ作品やトーマの心臓が思い出される世界観。挿絵も多く、しかも雰囲気ぴったりでキレイでした。スオウさんが好きな人にもオススメ。読了後は「少年よ我に帰れ」が頭の中でリピートされています。2016/02/16
葉鳥
5
少年たちの描き方が淡く繊細でよかった。イラストや世界観も相まって美しい。読みやすい分、後半は急に置いてけぼりを食らった面も少々。終章で突然のカミングアウト。2018/04/19