出版社内容情報
日日日、講談社BOXに2冊同時で初登場!奇病の蔓延により、人類が滅びへと向かいつつある「平安時代」。働かなくて済む貴族階級「ひきこもり」の小春とこずえが繰り広げるトリックコメディ登場!
内容説明
此処は、大人たちがすべて死に絶え、代わりに奇々怪々の異形な虫たちと共存している(せざるをえない)子供だけの世界―。そして、自称“貴族”の引きこもり―こづえと、その“親友”である小春さんに次々と降りかかるのは、可愛くも“残酷”な日常…!?過去、新聞に連載された幻の作品に大幅な書き下ろしを加え、ついに単行本化。
著者等紹介
日日日[アキラ]
1986年生まれ。小説家。高校在学中に5つの賞を受賞しデビュー。2010年『ビスケット・フランケンシュタイン』(メガミ文庫)にて第9回Sense of Gender賞大賞受賞。漫画原作も手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
徒花
254
平成から元号が平安に変わった近未来の物語。なぜ大人たちは死ぬかサルになってしまい、生き残ったのはティーンエイジャーの女の子ばかりというのはまあお約束的な設定。珍しいのが、一話がすべて数ページで完結していて、かつ、突発的に主人公が死んだりしているという点。Web連載をまとめた内容らしいが、深読みすれば、平安時代に書かれた随筆の形式に沿っているという解釈もできる。前半はギャグが多いが、後半になると家族をテーマにした日日日お得意のテーマで重苦しい話になってくる。結論。まあまあ2017/06/19
くろり - しろくろりちよ
18
「時代が昭和から平成に、平成から平安に写り変わって」…そこは、桃色の羽虫が支配する、大人の居ない世界。働いたら負けかと思っている引きこもり貴族、こづえの徒然なる物語。理論が理論として成り立っていなくて、物語の途中で死んでしまっり時間軸が飛行したり何人もの分裂してしまっりする、日日日真骨頂という波茶滅茶に残酷な、分岐する物語。働き者の小春さんや、毛虫のガノンドロフ、キャラクターは少ないながらも濃くて閉じた世界。ものすごく好きです。小春さんのスピンオフ『図書館パラセクト』も是非。中毒性有り。2013/05/05
Yobata
17
時代は昭和から平成,平成から平安へ。大人たちが死に絶え、異形の虫たちと死闘や共存を繰り返す子供達の残酷な世界。引きこもりの自称貴族のこづえと親友の小春さんに降りかかる可愛く残酷な日常の物語。6〜8ページの短い短編が36編集まった短編集。一話一話が短いながらも時にはシュールに時には面白く時には本当に残酷にきちんと纏まったクオリティの高い話なので気軽に読めるししっかり楽しめる。キャラクターもこづえの語り部が基本で、こづえが働いたら負けの見本的引きこもりダメニート人間なので、卑屈というか自棄的というか…ノリが→2013/08/07
キョウラン
11
平成から平安に続く近未来小説。どうにもわかりづらいというか読みにくくてまいった。でも千葉サドル氏の描くキャラが可愛いのが救いで素晴らしく癒される。しかしイラストがいっぱいでなんでこれ電撃とかのラノベレーベルででなかったんだろう?んで日日日の小説世界の特徴のひとつとしてキャラが愛情に飢えているっていうのがあると思うんだけど相変わらずそれが健在なので「狂乱家族日記」、「ささみさんがんばらない」と読んでる身としては嬉しい限り。そろそろ「ささみさん~」の3巻も読まんとなあ。2012/05/20
ユウ@八戸
11
なんて日日日さんらしい作品。ほのぼのしてるかと思いきや落とされ、ギャグ回かと思いきや落とされ…怖いよ!イラストにかなり癒されますね。ガノン可愛い。2011/11/16