内容説明
1万5千人が挑む推理バトルの舞台裏で、連続殺人劇の幕が上がる―。第3回講談社BOX新人賞・流水大賞優秀賞受賞作。
著者等紹介
天原聖海[アマハラキヨミ]
1978年生まれ。静岡県出身。本作『ファイナリスト/M』にて第3回講談社BOX新人賞・流水大賞優秀賞を受賞。講談社BOX史上、最もデビューが待ち望まれた期待の新人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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万博
3
想像していたのと違う…それを楽しみにしていたのに「D-1グランプリ」という舞台、人工知能「メリクリウス」があまり活かされていない―というのはありますが、これはこれで。面白く読んだけど、ホントウの見せ場なはずのグランプリ以後が長ったらしい。「名探偵とはなにか」がテーマとなっていますが、昨今の探偵小説の広がりのなか「名探偵は人を幸せにしない」などなどあまり目新しさもなく。登場人物の魅力もいまいち。主人公は「嘘がキライ」と潔癖的に描かれてるけど、ハッキングや盗み見するような自身の発明品に抵抗感はないのかしら?2012/01/30
かかし
3
長編らしい長編でした。流石、流水大賞受賞作、審査員に対してやや狙いすぎではないかと思いながら読み進めました。悪く言えば、清涼院流水氏の2番煎じ、もう少し小道具が活用されたら、良かったかな?読後の感じは良いので、次作に期待です。2012/01/06
ふじさん
2
「本格ミステリ」、「名探偵」という概念が孕む虚構性をどこまでも自覚的に書いた作品、という印象。表面上は西尾維新の文体を用いて清涼院流水的な世界観を構築しているように感じるが、実際にやろうとしていることはまったく別物な気もする。長大な内容、二転三転する真相に振り回され結局何が真実なのかわかり辛いが、動機の説明に矛盾が生じている以上、最後に明かされた犯人の人物像に全ての真相を求めて間違いはなさそう。心残りと言えば、やはりメルクリウスはもっと使って欲しかった。2010/03/12
あき
2
トンデモを覚悟してたけど真っ当なミステリ.西尾の影が見え隠れするが,西尾ほどキャラ作りはうまくない.メルクリというオイシイ存在がいるのに使いきれてない感じ.読ませる力はあるので次回にも期待.2009/08/09
キスイ
1
探偵の出てくる推理バトルとなっているけどミステリとは言い難いおはなし。作中に出てくる探偵社に関してはJDCを彷彿とさせるものがあり、そういう意味では流水大賞には相応しかったのかなという感じ。設定もいろいろ詰め込んだわりにどうも活かしきれていなかった印象で残念。2013/01/18