講談社・文学の扉<br> レイさんといた夏

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講談社・文学の扉
レイさんといた夏

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  • サイズ B6判/ページ数 242p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062832397
  • NDC分類 K913
  • Cコード C8093

出版社内容情報

引きこもり少女の部屋に現れた幽霊になったヤンキー少女。レイさんを成仏させる身元探しの旅が、ヒッキー少女の心の扉を開け放つ!引きこもりの少女・莉緒の部屋に現れたのは、幽霊になったヤンキー少女・レイさん。ヒッキーとヤンキー、通い合い始めたふたりの心。少女たちは、むき出しの自分の心に触れた――。

東京の中学校で1学期だけを過ごし、兵庫県の西宮市に転校した莉緒は、“汚部屋”にこもりっきりの夏休みを過ごしていた。東京の学校では、莉緒が見せたほんのささいなプライドによって、親友だと思っていた子が「よその人」に過ぎないことを知ってしまった。だから、突然すぎる転校も、莉緒にしてみれば天の助けだったのだ。でも、何もする気が起きない……。

莉緒のことを前向きで明るい人間にしたくてたまらないママは、部屋を片付け、新しい学校で始まる2学期に備えるよう、やかましいくらいに言ってくる。残っている夏休みは、あと五日。うんざりだったし、また新たな「よその人」たちに囲まれることは、恐怖ですらあった。

そんな折、ママは急病で入院することになった。自身の吐いた悪口が招いた災いかと落ち込む莉緒。その前に現れたのは、茶髪にピアス、ジャージ姿で、どう見てもヤンキーという少女の幽霊だった。彼女は、自分が何者かわからないから成仏できないといい、強引に身元探しを手伝わされるはめに。

手がかりは、幽霊の記憶にかすかに残っている「生前、誰かとふれ合ったときのエピソード」。その断片を頼りに「レイさん」が何者だったのかを突き止める、奇妙な夏休みが始まったのだった――。

安田 夏菜[ヤスダ カナ]
著・文・その他

内容説明

東京の中学校で一学期だけを過ごし、兵庫県の西宮市に転校した莉緒は、“汚部屋”にこもりっきりの夏休みを過ごしていた。そんな折、莉緒の前に現れたのはヤンキー少女の幽霊。莉緒は彼女を成仏させるため、身元探しを手伝わされるはめになる。「生前、誰かと触れ合ったとき」のかすかな記憶を頼りに、レイさんが何者だったのかを突き止める、奇妙な夏休みが始まった―。期待の児童文学作家がお届けする、この夏、最っ高の出逢い!小学上級から。

著者等紹介

安田夏菜[ヤスダカナ]
兵庫県西宮市生まれ。大阪教育大学卒業。『あしたも、さんかく』で第54回講談社児童文学新人賞に佳作入選。第5回上方落語台本募集で入選した創作落語が、天満天神繁昌亭にて口演される。日本児童文学者協会会員。「季節風」「こてまり」同人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぶんこ

45
物語の最初に汚部屋が出てきて、思いっきり引きました。心が疲れちゃうと無気力になるようで怖い。莉緒さんのお母さんの性格からしたら、莉緒さんの様子に心配マックスで、病気を誘発しちゃったのか。そんな状態を苦しんでいたのは莉緒さんだろうし、幽霊のレイさんは救世主かな。レイさんが現れたのは、幼馴染の母を思いやるレイさんの気持ちが噴出したのかもしれない。明石家さんまさんじゃないですが「生きてるだけで丸儲け」と思える気持ちになるまで、乗り越えて欲しい。2016/10/20

keith

22
友だちとの関係がうまくいかず、引きこもりとなった中学生の莉緒。そんな莉緒の部屋にヤンキーの幽霊レイが現れる。自分が何者かわからないので成仏できないというレイに莉緒はいやいや身元探しを手伝わされることになる。レイの自分探しを通じて、はからずも莉緒も自身を見つめ直すきっかけとなります。児童書のようでしたが、あなどれません。レイが何者か分かるにつれ、胸がいっぱいになってきました。多くの方にも読んでいただきたい、いい本でした。2016/12/13

雪丸 風人

16
”私は補助輪のようなもの。なくても大丈夫とわかったら、カッコ悪くて邪魔だから外された・・”中学に入ってすぐにできた友達に距離をおかれ、見捨てられ、笑い者にされるというつらい体験をした主人公。極度の人間不信に陥った彼女は、失意のまま転居し、汚部屋で引きこもるようになります。そんなボロボロの彼女に自分を見つめ直すきっかけをくれたのは、かつての母と繋がりのあった意外すぎる存在なのでした。外見は怖いのだけど、飄々としてどこか憎めない直球女子というレイさんのキャラクターがいいですね。(対象年齢は12歳半以上かな?)2020/09/22

izw

10
安田夏奈は初めて。人と話をするのが苦手で、クラスのいじめにあった中学1年の1学期終了と同時に父親の仕事の都合で引っ越したところから話が始まる。引っ越し後1ヶ月引きこもった部屋に現れた幽霊レイ、自分が誰か、何で死んだか忘れてしまい、成仏できずにいるレイが昔を思い出すのを手伝うために、思い出した人の似顔絵を描いていくうちに、意外が関係が発覚する。なかなかスリルのあるストーリー展開でよかった。また全作品を読んでみたい作家がひとり増えた。2017/05/04

timeturner

7
幽霊の身許探しというアイディアが巧く使われている。ちょっとしたことが原因でかけ違ってしまう人と人の絆。こんな修復法もあるんだなとこっそり涙しながら納得した。2017/04/08

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