出版社内容情報
日本文学の名作を21世紀の子ども達へ! 読みやすい総ルビ、カラーさし絵、本文中の豊富な用語解説で、文学にはじめて出会う子供の理解を助ける、児童むけ日本文学全集の決定版。
谷崎 潤一郎[タニザキ ジュンイチロウ]
著・文・その他
鈴木 三重吉[スズキ ミエキチ]
著・文・その他
野上 弥生子[ノガミ ヤエコ]
著・文・その他
小松 久子[コマツ ヒサコ]
著・文・その他
清水 耕蔵[シミズ コウゾウ]
著・文・その他
内容説明
強い個性と独自の才覚で、級友たちを支配する少年を描く「小さな王国」。実際に起きた事件を題材に、漂流する船のなかでの人間の葛藤をあつかった「海神丸」。だれもが抱える心の闇に迫った両作品のほか、少年の女性への思慕をあたたかくとらえた鈴木三重吉の「おみつさん」などを収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
たつや
5
本書は谷崎、野上弥生子、鈴木三重吉の三作家の作品が読める。どれも初読み。心を小学高学年に戻して読んだが、谷崎は大人と子供の世界を見事に描いていて、もういないだろう?ガキ大将の存在の書き方が上手い。海神丸は本当にあった事件を材に書かれたのか?面白かった。漱石の弟子、鈴木三重吉の「おみつさん」は夢中で読んだ。明治頃が舞台だが、下駄や八ツ口、提灯屋等、もう見ない物が多く出てきて情緒があり、主人公のモジモジが、上手く描かれていて、この作品好きです。2024/12/11
訪問者
4
谷崎潤一郎は彼のもっとも奇妙な小説である「小さな王国」と最も感動的な作品である「母を恋うる記」というベストチョイス。野上弥生子「海神丸」も傑作。2022/02/21
あわせみそ
0
この巻はちょっとハード&ホラーなラインナップ。海神丸の、三吉に向けられる食欲混じりの目線がとてもエロティック。今は、このシリーズ自体、けっこう小説が読める中高生向けになっていますね。2023/05/03
Sosseki
0
海神丸:大分にいたので方言は読みづらさよりも、読みやすさを感じた。怖じい、むげない等懐かしかった。が、話は重い。後日談もあるそうだ。読んでみようか。 小さな王国:怖い話だ!谷崎は初めて。巧かった!2019/04/05