出版社内容情報
これまでの認知症の治療法は間違っていた! 認知症治療の第一人者と評価されるカリスマ医が教える、本人と介護者を救う治療法とは刊行にあたって「患者や介護者を救う新しい認知症治療」
わが国における認知症の高齢者は、2012年8月時点で300万人を超え、2002年の149万人から10年間で2倍に増えたことが、厚生労働省の推計で明らかになりました。300万人ということは、65歳以上の1割が認知症を患っている計算になります。
こうした状況にもかかわらず、認知症はまだ発症の原因や治療法が明らかにされているとは言えず、どのような病気であるかも一般の人には理解されていません。一般の人ばかりか、プライマリーケア医の多くも、認知症について詳しく知らないのが実情です。
本書は診断と治療を中心に、認知症に関する最新の知識をまとめた認知症百科です。しかし、これまでに編まれた認知症の解説書から、大きく踏み込んだ内容になっています。
それは、30年近く認知症専門医として多くの患者を診てきた私の体験から生まれた「コウノメソッド」を中心に据えてあるからです。本書は、一般向けの認知症解説書とあまりに異なる斬新な内容を含んでいます。これまでの認知症の本では、病気の説明がされたあとは予防と介護の話があるばかりで、治療の話はほとんどありませんでした。それは、認知症を治せない病気と考えていたからです。本書が、治療法に多くのページを割き、具体的な処方まで載せているのとはあまりに大きな違いです。
本書の役割は、一般の方々に認知症の正しい診断と治療法を知っていただくことにより、不勉強な開業医や冷たい専門医から、どんどん悪くされる認知症の患者を救い出すことです。そして、一人でも多く正しい診断と治療ができる医師を増やすことです。
名古屋フォレストクリニック院長 河野和彦
認知症の初期症状/単なる老化と認知症の違い/受診の勧め方/専門医はどこにいるのか/かかりつけ医と大病院/脳神経外科と認知症 /神経内科と認知症/精神科と認知症/老年科・もの忘れ外来と認知症/公的機関と認知症/CT/MRI/PET/SPECT/ミニメンタルステート検査/改訂長谷川式スケール/時計描画テスト/本人への問診/家族への問診/うつ病との識別/せん妄との識別/告知/医師と家族のコミュニケーション / 画像による診断の落とし穴 /脳の構造と神経伝達のしくみ/認知症を引き起こす病気/中核症状と行動・心理症状/アルツハイマー型認知症/レビー小体型認知症/前頭側頭型認知症(ピック病など)/その他の変性疾患/脳血管性認知症/その他の二次性認知症/アルツハイマー型認知症がたどる経過/脳血管性認知症がたどる経過/混合型認知症とナン・スタディ/レビー小体型認知症がたどる経過/前頭側頭型認知症がたどる経過/治る認知症のいろいろ/フロンタルレビー/認知症治療薬の基本情報/アリセプト/アリセプトのジェネリック/レミニール/リバスチグミンのパッチ製剤/メマリー/開発中のワクチン/周辺症状を抑える薬/コウノメソッドとは何か/患者と家族のどちらかしか救えないときはどうするか/認知症治療でもっとも大切なこと/医師の指示のもとで介護者が薬の量を加減する「家庭天秤法」/コウノメソッドのコンセプト/フェルラ酸含有食品の活用 /病型別の治療戦略/アルツハイマー型認知症の治療/脳血管性認知症の治療/混合型認知症の治療/レビー小体型認知症の治療/前頭側頭型認知症(ピック病)の治療/うつ状態にある認知症の治療/急激な特異症状への対応/認知症の改善事例/コウノメソッドの実践医を受診したければ/Lewy-Pick Complex/認知症の予防プロジェクト/認知症を予防する体操/認知症と食べ物/健康補助食品 /回想法/音楽療法/美術療法/園芸療法/学習療法/動物療法/その他の非薬物療法/認知症でも明るく暮らせる町づくり/運転免許の更新と免許証の返納/介護保険制度の活用/ レビースコアとピックスコア/医療と介護は車の両輪/医師へのかかり方を間違えてはいけない/認知症を知らない医師が多過ぎる/あなたの大切な人(患者)を守るために
河野 和彦[コウノ カズヒコ]
著・文・その他
東田 勉[ヒガシダ ツトム]
著・文・その他
内容説明
認知症治療の第一人者河野和彦医師の診断・治療メソッドを公開。認知症治療新薬メマリーなど最新の薬品情報を網羅。介護職や家族でも認知症発見の手がかりが得られる。実践的介護のノウハウを紹介。
目次
第1章 認知症の診断
第2章 原因疾患別症状
第3章 認知症の薬物療法
第4章 予防法と非薬物療法
第5章 医療と介護
第6章 認知症に関する団体や支援サイト
著者等紹介
河野和彦[コウノカズヒコ]
1958年生まれ。82年、近畿大学医学部卒業。88年、名古屋大学医学部大学院博士課程老年科学専攻修了。名古屋大学医学部老年科講師、愛知厚生連海南病院老年科部長、共和病院老年科部長を経て、2009年に名古屋フォレストクリニックを開院。日本老年精神医学会指導医、日本老年医学会指導医、日本内科学会認定内科医。日本の認知症治療の第一人者として知られ、初診の患者が全国から訪れている
東田勉[ヒガシダツトム]
1952年生まれ。國學院大学文学部国語学科卒業。コピーライターとして制作会社数社に勤務後、フリーライターとなる。2005年7月から2007年9月まで、主婦の友社から刊行された介護雑誌『ほっとくる』の編集を担当。同誌休刊後、フリーのライター兼編集者として活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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