講談社+α文庫
ワイルド・スワン〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 560p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062816632
  • NDC分類 936
  • Cコード C0122

出版社内容情報

全世界で1000万部を超えた大ベストセラー!母娘三代、毛沢東と文化大革命に翻弄された激動の中国史が再登場します。15歳で著者の祖母は軍閥将軍の妾になる。中国全土で軍閥が勢力をぶつけあう1924年のことであった。続く満州国の成立。直前に生まれた母は、新しい支配者日本の過酷な占領政策を体験する。戦後、夫とともに共産党で昇進する母。そして中華人民共和国の成立後、反革命鎮圧運動の只中で著者は誕生する。中国で発禁処分となった衝撃的自伝!

『鴻(ワイルド・スワン)』は、私の祖母、母、そして私自身の物語です。祖母と母は、1931年から1945年まで日本が支配する満州国で暮らしました。祖母も、母も、私も、異常な時代と異常な社会に翻弄されながら生きてきました。とほうもなく残酷な時代であり、それだけになお、崇高な人間性が強い光を放った時代でもありました。(日本のみなさんへ)

日本のみなさんへ
二〇〇七年新版によせて
第一章 「三寸金蓮」――軍閥将軍の妾
第二章 「ただの水だって、おいしいわ」――夏先生との再婚
第三章 「満州よいとこ、よいお国」――日本占領下の暮らし
第四章 「国なき隷属の民」――さまざまな支配者のもとで
第五章 「米十キロで、娘売ります」――新生中国への苦闘
第六章 「恋を語りあう」――革命的結婚
第七章 「五つの峠を越えて」――母の長征
第八章 「故郷に錦を飾る」――家族と匪賊の待つ四川省へ
第九章 「主人が高い地位につけば、鶏や犬まで天に昇る」――清廉潔白すぎる男
第十章 「苦難が君を本物の党員にする」――母にかけられた嫌疑
第十一章 「反右以降、口を開く者なし」――沈黙する中国
第十二章 「米がなくても飯は炊ける」――大飢饉
第十三章 「だいじなだいじなお嬢ちゃん」――特権という名の繭の中で
第十四章 「父よりも、母よりも、毛主席が好きです」――毛沢東崇拝


ユン・チアン[ユン チアン]
著・文・その他

土屋 京子[ツチヤ キョウコ]
翻訳

内容説明

15歳で著者の祖母は軍閥将軍の妾になる。中国全土で軍閥が勢力をぶつけあう1924年のことであった。続く満州国の成立。直前に生まれた母は、新しい支配者日本の苛酷な占領政策を体験する。戦後、夫とともに共産党で昇進する母。そして中華人民共和国の成立後、反革命鎮圧運動の只中で著者は誕生する。中国で発禁処分となった衝撃的自伝!

目次

「三寸金蓮」―軍閥将軍の妾(一九〇九年~一九三三年)
「ただの水だって、おいしいわ」―夏先生との再婚(一九三三年~一九三八年)
「満州よいとこ、よいお国」―日本占領下の暮らし(一九三八年~一九四五年)
「国なき隷属の民」―さまざまな支配者のもとで(一九四五年~一九四七年)
「米十キロで、娘売ります」―新生中国への苦闘(一九四七年~一九四八年)
「恋を語りあう」―革命的結婚(一九四八年~一九四九年)
「五つの峠を越えて」―母の長征(一九四九年~一九五〇年)
「故郷に錦を飾る」―家族と匪賊の待つ四川省へ(一九四九年~一九五一年)
「主人が高い地位につけば、鶏や犬まで天に昇る」―清廉潔白すぎる男(一九五一年~一九五三年)
「苦難が君を本物の党員にする」―母にかけられた嫌疑(一九五三年~一九五六年)〔ほか〕

著者等紹介

ユンチアン[ユンチアン]
1952年、中華人民共和国四川省生まれ。文化大革命が吹き荒れた1960年代、14歳で紅衛兵を経験後、農村に下放されて農民として働く。以後は「はだしの医者」、鋳造工、電気工を経て四川大学英文科の学生となり、苦学ののちに講師となる。1978年にイギリスへ留学、ヨーク大学から奨学金を得て勉強を続け、1982年に言語学の博士号を取得

土屋京子[ツチヤキョウコ]
翻訳家。東京大学教養学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

金吾

28
○四代にわたる一族の歴史を通じ、近現代の中国を見ることができます。恵まれた立場である著者の一族から見ても、国共内戦や共産中国特に大躍進政策の凄惨さがよく伝わります。2022/07/20

あつ子🐈‍⬛

16
再読。単行本が図書館にあって、当時夢中で読んだ思い出。今ふたたびの寝不足本です。清朝末期から現代までの激動の中国大陸を舞台に、強く生きた女性三世代の物語。文革とか共産主義とか世界史で習ったことどもが、確かに私の血肉となった。この本のおかげです。しかし本当に毛沢東はどーしようもねえな…とイライラしつつ下巻へ。2023/08/17

ちゃま坊

16
「習近平の文化大革命2.0」という記事を見て気になった中国の近代史。太平洋戦争時の日本軍、ソ連軍、蒋介石、毛沢東と支配者が目まぐるしく変わる時代から始まる。作者の母を中心に描いたファミリーヒストリー。この時代どこに属するかで運命は大きく変わる。選択を誤って殺されたり追放された同胞は多くいる。この家族はうまく生き抜いて中国共産党のメンバーとなるが、さてそれからの運命は悪い予感が。再読。2021/10/06

太田青磁

9
父は戦闘のさなかでさえ古典詩の本を肌身離さず持ち歩くような男だ・父にとって党に対する忠誠は絶対、母の忠誠は理性と感情の双方に支えられていた・耐えがたい痛みにあえぎながら、母は兵舎まで歩いた。母から最初に出たのは「離婚してください」ということばだった・いったん革命に身を投じたら抜けるという選択肢はぜったいにない・父の場合はイデオロギー、夏先生の場合は人道主義・勉強と並んで両親は私たちに確固たる倫理観を植えつけた・自己審問と自己批判、毛沢東の中国を象徴する習慣は、自分の考えを一切持たない人間を作る目的だった2022/11/03

numno1

8
文革の時代を生きた著者の自伝ノンフィクション。祖母・母の時代から始まり、文革直前まで。著者はまだ10代。国共内戦でどうして共産党が勝てたのか? というのがいまいちわかってなかったんですが、終戦直後の時代は、国民党は戦前の役人や資産家の腐敗という社会構造をそのまま引きずっていて、それに対して共産党は比較にならないくらい清廉だったんですね。でも勝利以降だんだん行き過ぎていくと。2020/11/13

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