内容説明
土地・株価の異常な高騰から日本社会を狂乱の渦に巻き込んだバブルが崩壊し、天皇崩御によって昭和という御世が閉幕した1989年。まぎれもなく日本にとっての分かれ目となったこの年、ドイツでは米ソ冷戦構造の下、世界を東西に分断していた壁が崩壊するという、世界史を画する大事件が起こった。渦中のドイツ国民は何を得て、何を失ったのか。市井の肉声を通じ、世界史の断面図を描く。物事を何ひとつ正視できなかった日本人、必読の書。
目次
プロローグ 地図から消えた国
第1章 開放(一枚のメモ;片道切符;篭の鳥;映画少年;モンゴル絨毯)
第2章 脱出(二人の欠席者;PM12;身上調書;白い円)
第3章 再会(男と女;赤い靴下;プラハの憂鬱;青い空;冬の童話)
著者等紹介
杉山隆男[スギヤマタカオ]
1952年、東京都に生まれる。作家。一橋大学社会学部卒業後、読売新聞記者を経て、著作活動に入る。1986年、日本の新聞界の大変換期をダイナミックに描いた処女作『メディアの興亡』(文藝春秋)で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。自衛官たちの生きざまを追った『兵士に聞け』(新潮社)に続き、『兵士を見よ』『兵士を追え』『兵士に告ぐ』『兵士になれなかった三島由紀夫』(以上、小学館)の自衛隊五部作が話題となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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