内容説明
失敗しても、めげない、くじけないヒントがスヌーピー・コミックスには満載されている。自分自身を面白がる才能や、客観視できる知恵を60本のマンガから見つけだし、肩の力を抜いて生きることを、対談とエッセイでやさしく気付かせてくれる本。ユング心理学の第一人者とスヌーピーを日本に紹介した詩人が「僕たちも落ちこぼれだった!」と告白し、語り合う、笑いとナットクのスヌーピー流生き方教室。
目次
1 自分をおもしろがる(わからないところがいい;チャーリー・ブラウンの人生問題;「人間なんてほんとにつまんない!」 ほか)
2 勉強ができることよりすごいこと(もののあわれか、センチメンタルか;「家出の季節か…」の本心;「ここではないどこか」に何がある? ほか)
3 落ちこぼれはすばらしい(「ふつうの人」の代表、チャーリー・ブラウン;スヌーピーの中にある「魂の自由さ」;いじわるルーシーは変わらない? ほか)
著者等紹介
河合隼雄[カワイハヤオ]
1928年、兵庫県に生まれる。臨床心理学者。スイスのユング研究所に留学後、日本にユング派心理療法を確立した。京都大学名誉教授。2007年、没
谷川俊太郎[タニカワシュンタロウ]
1931年、東京都に生まれる。詩人。1967年頃から漫画「ピーナッツ」の翻訳を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
じろー
25
読んでいてホッとする本です。僕は四角四面な考えにとらわれがちなのですが、それだけでは息苦しくなってしまいます。そうじゃないんだ、もっと単純だったりもっと複雑だったりするんだ、という事をスヌーピーを題材にして教えてくれます。非常に優れた本だと思います。2018/11/25
roughfractus02
8
キャラクター達は皆悩みを抱え、何かが欠けていると感じている。チャーリーは人間のつまらなさを嘆き、犬小屋の屋根のスヌーピーは閉所恐怖症で、ライナスは毛布を手放せず、サリーは誰かにいつもつっかかる。が、鳥なのに飛ぶことが苦手なウッドストックが力持ちであるように、見方を変えれば他のキャラクター達の別の面が見える。2人の対話者はそこに作者の愛を感じると共に、欠如や不満を抱える背景に言語と意識に偏向する戦後アメリカを見出す。そこからのズレを「落ちこぼれ」と呼ぶ本書だが、そこには作者シュルツの戦争体験が垣間見える。2023/02/10
naminnie
6
スヌーピーのあんな話こんな話を優しく解釈。思えば、こういう人いるなぁなんてスヌーピーのキャラたちを見て思い浮かべたりもした。優しく素敵な人達だな。癒された。2011/06/15
湯飲み猫
4
スヌーピーの4コマ漫画を読みながら、河合隼雄さんと谷川俊太郎さんが対談。スヌーピーは哲学的な犬。でも、他の子どもたちもとっても深い精神性を持っている。過度にポジティブシンキングなアメリカ社会に対する「ちょっと待って」がスヌーピーには表現されているわけだけど、社会とか文化を越えたものがあって、二人の対談のおかげで、それがとても伝わってきました。2014/01/25
takakomama
2
スヌーピーはアメリカの4コマ漫画。訳した谷川俊太郎さんと、臨床心理学者の河合隼雄さんが、漫画を紹介しながら対談しています。スヌーピーは可愛いだけでなく、哲学的! 漫画は読んだことはありませんが、登場人物やアメリカと日本の社会や考え方の違いが、よくわかりました。頑張りすぎずに、息抜きもしなくちゃね。2018/10/04