内容説明
江戸時代を終えて明治維新を迎えた日本は、近代化が進む世界から著しく立ち遅れ、法治国家としての原則が存在せず、欧米列強から過酷なまでの不平等条約を押しつけられていた。また国内でも士農工“商”という序列が残っていた。“資本主義の父”である渋沢栄一は、いかなる精神をもって、殖産興業、貿易振興、不平等条約改正などに立ち向かい、進むべき道筋を示したのか。日本経済の礎をゼロから築いた“巨人”の志から、混迷をきわめる日本に新しい光が見える。
目次
序章 東京商法会議所の発祥
第1章 グラント将軍
第2章 不平等条約
第3章 横浜生糸貿易紛争
第4章 文物創造
第5章 日米摩擦の回避へ
第6章 わが国初の渡米実業団
第7章 明治神宮奉建運動
第8章 「渋沢栄一」を探る
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スプリント
5
実業家として八面六臂の活躍を見せた後半生が中心に書かれています。実業だけでなく教育の普及にも尽力した偉人です。2016/04/30
nobinobi
1
資本主義の父と呼ばれる渋沢栄一が、どのような人物であったか興味があり手に取る。この本を読んで感じたのは、渋沢栄一は常に自己以外のことに一生懸命になっていること。外人記者からみたシブサワが紹介されており、ここからもいかに素晴らしい人格の持ち主だったのかがうかがえる。2016/04/13
hayate
1
渋沢栄一の企画展に行く機会があるので読んでみた。主に東京商工会議所と渋沢栄一との関係について記述されている。現代の早すぎる経済社会を深く勉強する前に、萌芽期の日本経済に目を向けてみるという意味ではいいかもしれない。面白いエピソードは、商工会議所の使節団がアメリカを横断する話。渋沢栄一が常に質問魔であったというのは、向学心溢れる話だなと思う。2014/10/05
horihorio
1
明治の日本経済の発展は、この人なしに語れない渋沢栄一の活躍や人となりを描いた本。元々が東商の100周年記念誌であることは割引で読む必要はあるが、記念誌だからこそ書けた活躍は有益。もっと注目されても良い経済人と経済書だと思う。2011/11/29
Edmonds
1
岩崎弥太郎の話をするには渋沢栄一なしには語れない。とにかく人柄といい功績といい、弥太郎と違って好感が持てる。久々に良い本に会えた気がする、是非再読したい。もっと注目されるべきで日本が誇れる偉人だと思う。2010/04/04