内容説明
改革・開放の中で莫大な財を成し、共産党指導部に接近、政策を左右するほどの「権力」すら手にした「新富人」による支配が始まった。深まりゆく中国社会の「断裂」。搾取や不平等がない「人民中国」はもはや幻想だ。今なお洞窟住居に住むことを強いられ極貧にあえぐ地方の村から、億単位の難民が、摩天楼の立ち並ぶ大都市になだれ込む。貧富の差、政治腐敗への不満。政権に憚ることなく、利害を剥き出しにした戦いがこの国を揺るがす。
目次
序章 「人民中国」の終焉
第1章 「上海一の金持ち」の凋落
第2章 不動産バブルの淵「黄金地帯」の悲劇
第3章 新富人「最後の晩餐」
第4章 新支配層の誕生と「社会の断裂」
第5章 都市を包囲する農民の群れ
第6章 胡錦涛「親民路線」の本質
第7章 「人民外交」との決別
第8章 新たな「反日」の台頭
終章 新富人が導く中国
補章 現代中国「格差」の本質
著者等紹介
清水美和[シミズヨシカズ]
1953年、愛知県に生まれる。京都大学経済学部を卒業後、中日新聞社(東京新聞)に入社。三重総局、東京本社社会部、特別報道部を経て、1987年、北京語言学院(現・北京語言文化大学)で中国語研修。香港特派員、北京特派員、米コロンビア大学東アジア研究センター客員研究員などを経て、1999年、中日新聞中国総局長となる。2006年より東京新聞論説委員。『中国農民の反乱―隠された反日の温床』(講談社+α文庫/アジア太平洋賞特別賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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