• ポイントキャンペーン

オスマン帝国500年の平和

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 392p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062807104
  • NDC分類 209
  • Cコード C0322

内容説明

バルカン、アナトリア、アラブ世界を席巻した大帝国は、多文化、多宗教を柔軟に包み込むメカニズムを生みだした。強力なスルタンのもとで、広大な地域を征服した成功のあとに続いた、大宰相を中心に官人たちが支配する長い時代。多民族の帝国が、民族の時代の到来により分裂するまでを描く。

目次

第1章 アナトリア―一〇五〇~一三五〇
第2章 バルカン―一三五〇~一四五〇
第3章 戦うスルタンの旗のもとで―一四五〇~一五二〇
第4章 スレイマン一世の時代―一五二〇~六〇
第5章 オスマン官人たちの時代―一五六〇~一六八〇
第6章 近世オスマン社会を生きる
第7章 繁栄のなかの不安―一六八〇~一七七〇
第8章 オスマン体制の終焉―一七七〇~一八三〇

著者等紹介

林佳世子[ハヤシカヨコ]
1958年山口県生まれ。お茶の水女子大学文教育学部卒業、東京大学人文科学研究科博士課程中退。東京大学東洋文化研究所助手を経て、東京外国語大学外国語学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Toska

11
現在、トルコだけが「オスマン帝国の末裔」と位置づけられているのは何故なのか?というつかみから惹き込まれる。民族を統合原理とせず、宗教(イスラム教)一本槍でもない、様々なシステムと思想を駆使して広大な帝国をまとめ上げたオスマン帝国。その国家運営があまりにも上手くいきすぎたため、崩壊後に数多の民族問題を引き起こしたのは歴史の皮肉以外の何物でもない。オスマン史の魅力と悲哀を堪能できる一冊。2023/01/02

よしひろ

9
オスマン帝国の膨張は有能なスルタンによって成された。エジプトやサファヴィー朝など、強力な帝国をものともせず、ヨーロッパまでを震撼させた勢いはトルコ人の民族性を見出せる。そして、オスマン帝国はトルコ人単一民族ではなく、多くの民族を内包する多民族国家であった。その統治体制、社会制度、華やかな文化と学問。一世を風靡するトルコの歴史に触れられる。2015/09/19

デューク

4
講談社の創業100周年記念出版として発行された、全21巻の人類の歴史。第10巻は、500年以上にわたって君臨したオスマン帝国の興亡。 オスマン帝国の成立の揺籃期、メフメト2世の征服から第一次ウィーン包囲に至る絶頂期、欧州の病人として苦闘を重ねた衰退期。特に従来は否定的な視点で語られることの多かった、オスマン衰退期の記述は、今までにない新しい視点を提供してくれる。それまでの畏怖から一転して蔑まれることも多いオスマンの近代化だが、先見の明に満ちた施策も多く、再評価されてもいい時期であると思う。おすすめ2018/02/22

小町

3
「興」のトルコ本は結構見つけるけど、「亡」が読みたかった。そういう意味ではちょっと物足りなかった。民族意識の高まりとともに多民族国家が崩れていくのは分かるのだが、肝心のスルタン、宰相たちの動きが見えなかった・・・。でも当時の風俗や、イエニチェリの変化が面白かった。2012/09/24

3
14世紀に誕生し19世紀初頭にトルコに置き換わった大帝国オスマン帝国を、多民族を統率した政治面から読み解く本。トルコ以外の国では、オスマン時代はトルコ人が広大な地域全体を占領した「オスマン・トルコ」であるとの誤認が生じているが、それはオスマン帝国のシステムが十分に理解されていない為だと著者は説く。オスマン帝国のシステムは中世時代の最先端を行くものだったが、産業革命を経験しなかった為に近代化が出来ず西欧に下った、というべきか。徴税請負制度や遊牧体制の限界だった、というべきか。少なくとも植民地主義よりはマシ。2011/06/15

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/501241
  • ご注意事項