内容説明
ローマ文明とキリスト教におおわれる以前、ヨーロッパの基層をなしたケルト人はどこへ消えたのか。巨石文化からアーサー王の伝説、現代の「ケルト復興」まで、フランス、ブルターニュの歴史・信仰・言語を軸に、アイルランド中心の「ケルト・ブーム」を問い直す。
目次
第1章 「異教徒の地」の信仰
第2章 巨石文化のヨーロッパ
第3章 古代ケルト人
第4章 ローマのガリア征服
第5章 ブリタニア島とアルモリカ半島
第6章 ヒベルニアと北方の民
第7章 ノルマン王朝とアーサー王伝説
第8章 ケルト文化の地下水脈
第9章 ケルトの再生
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
デューク
3
講談社の創業100周年記念出版として発行された、全21巻の人類の歴史。第7巻は、キリスト教以前のヨーロッパ文化の中心をなした、ケルト人の興亡について。 縦の流れである各国史でもなく、横の流れである時代別でもない、いわばナナメの流れであるテーマ史は、テーマ選定のセンスが問われる歴史だと思う。これは自然共生型の多神教であったケルト人の文化が、キリスト教に征服されつつも、キリスト教自身の変質を促していったかの記録でもある。日本人にはあまりなじみのない、ケルト人の歴史についてコンパ宇土にまとめた一冊。おすすめ2017/12/19
kanaoka 57
2
「ケルト」とは何か? この何とも、つかみにくいものを、なんとなく、つかめたような感じがする。2020/11/21
kozawa
2
誤解されてきたケルト。ゲルマン以前の欧州とその後の混合。神話、宗教、考古学や文献、言語その他。このシリーズはやはり面白い。スリリング2010/06/16
富士さん
1
再読。全部読んだわけではないですが、このシリーズは超国家的歴史記述をやってみようという意欲的な意図を感じてとてもおもしろいものだと思います。本書もパリやロンドンを軸にしたキリスト教やゲルマン人という中で歴史を描くのではなく、ブルターニュを軸にしたケルトという文化の中のことして世界史が描かれています。非キリスト教系の妖精や英雄のネタ元を含むケルトの文化を一望するのに便利な一冊です。個人的には、19世紀に騎士物語の再発見に合わせてでっち上げられる聖地にはどこか今日的な聖地創造と同じものを感じてしまうのです。2017/06/30
夢仙人
1
多少内容が混乱気味。2015/12/30