内容説明
篤胤において死の問題は、死後の存在としての霊魂の問題となり、さらには霊魂の行き場所の問題となる。もし人が死後に霊魂となることが確実であり、霊魂の行き着く場所が特定されるのであれば、先に現在の私たちに即して述べたような死の問題は、「解決」されるに違いない。篤胤はまさにそのことを『霊の真柱』において試み、「幽冥界」という観念を提示することになる。
目次
第1章 篤胤の抱えた問い―自己
第2章 神へ―問いの具体化
第3章 『新鬼神論』―死んだら霊魂となる
第4章 近世庶民仏教と『出定笑語』
第5章 『霊の真柱』―霊魂のゆくえ
終章 近代へ
著者等紹介
吉田真樹[ヨシダマサキ]
1971年、東京生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、静岡県立大学国際関係学部講師。専攻は倫理学・日本倫理思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
2
死んだらどうなるか2024/10/13
しく
1
最後の段になって、この著書の目指している所が示されたように思うが、作品全体がそこを指向していたかというとそうでもなかった気がしますね。2016/12/09
三条院アルパカ
0
至って真摯に死生観を求める哲学者の姿が見えてきた。もう少し他の書籍も読んで勉強してみたい。山師などという胡散臭い評価を受けてもいるが、民俗学者・思想家・哲学者・宗教家・布教者、本来それぞれの位置から別々の評価をされるべきところを一緒くたに評価されてしまっている印象も受けた。世に及ぼした影響が大きかったことを排除して彼の求めたところをもう少し勉強したい。2015/08/20
メルセ・ひすい
0
※死の問題は、『霊の真柱』において試み、『霊冥界』という観念を提示することとなる。2009/05/05
メルセ・ひすい
0
かなり読みにくい。天狗の話 親を殺す相 ☆ポイント・・・死の問題は、死後の存在としての霊魂の問題となり、さらにには霊魂の行き場所の問題となる。もし人が死後に霊魂となることが確実であり、霊魂の行きつく場所が特定されるのであれば、先に現在の私たちに即して述べたような※2009/05/04