講談社文庫
赤の他人の瓜二つ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 216p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062779197
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

各紙誌に「物語ることの限界に挑み、小説の未知なる可能性を示した」と絶賛された、芥川賞作家の傑作!私が出会った、まるで記憶の中の自らの顔を見ているかのような瓜二つの男。チョコレート工場で働くその男の家族の物語は、やがて時も空間も自由に超えて、目眩くチョコレートの世界史へと接続する――各誌紙に「物語ることの限界に挑み、小説の未知なる可能性を示した」と絶賛された、芥川賞作家の傑作!  

「この物語には、言葉を用いて論じようとする気など
ほとんど起きないような、
心に食い入る官能の詩がある」
――第21回Bunkamura ドゥマゴ文学賞
              選考委員・辻原登―

磯崎 憲一郎[イソザキ ケンイチロウ]
著・文・その他

内容説明

私が出会った、まるで記憶の中の自らの顔を見ているかのような瓜二つの男。チョコレート工場で働くその男の家族の物語は、やがて時も空間も自由に超えて、目眩くチョコレートの世界史へと接続する―各紙誌に「物語ることの限界に挑み、小説の未知なる可能性を示した」と絶賛された、芥川賞作家の傑作!

著者等紹介

磯崎憲一郎[イソザキケンイチロウ]
1965年、千葉県生まれ。2007年「肝心の子供」で第44回文藝賞を受賞しデビュー。’08年「眼と太陽」で第139回芥川賞候補となり、’09年「終の住処」で第141回芥川賞を受賞した。’11年に本書『赤の他人の瓜二つ』(講談社)で第21回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を、’13年には『往古来今』(文藝春秋)で第41回泉鏡花文学賞を受賞している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Bartleby

16
本書でも語り手は自信満々に意味不明な断言をする。それを足場にして、へんな世界に連れていかれる。しいて言えば“チョコレートの歴史”。まったく要約しようのない小説だ。だからこそこれは本作を読むことでしか体験できない時間。彼の小説を読むとライプニッツのモナドを思いだす。あるいは華厳経?モナド1つが、露一粒が、世界全体を写しだす。彼はそれを、1文の中でやろうとしてるように思われる。2023/06/19

乱読999+α

9
久々の磯崎氏作品。過ぎゆく時の流れを捉まえるのは困難菜事。たゆたゆと流るる中に身を任せながらも、自己の老いと他人のそれとを比べることの無意味さ。老いだけではない。人はどこかに自分に似た人、瓜二つな人を見つけてしまう。血が繋がっていなくとも。でも、それがどうした?唐突に終わる物語は、面白くもあり、難解でもあった。2020/08/28

kuukazoo

6
この人は謎なんだな。読むのは3作目だが、なんでこんな小説を書けるんだろうと不思議でならない。小説の可能性とか小難しいことはわからないのでどうでもいいが、やはり読むことが理解よりもライブとか体験というかそんな感じなんである。どこへ行くのかな〜と思いながらくっついていく、その過程がスリリング。2015/08/06

keiniku

5
チョコレート、を通じて人生が繋がっているのだが、今まで読んできた磯崎憲一郎の「電車道」「日本蒙昧前史」が広く俯瞰した絵が見えてくるのに比べ、これはどちらかというと先で繋がっている感触だ。 時代と国の違う線と、現代の「息子」とそこから枝分かれする線と。一気に読んでしまうスピード感のある話だ。2021/02/16

galoisbaobab

5
ジワジワ面白いしジワっと感動しつつオヤ?と突き放される。一人称で語り始めた物語はいつの間にか三人称に変わりモノとコトを介在して展開していく詩的な質感です。プロコフィエフの交響曲がすきな人にはあうかもね。オレはすきです。2015/09/03

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