出版社内容情報
殺人現場は、部屋中真っ赤に染められた「赤い部屋」だった。東京を震撼させる連続爆破事件との関連はあるのか――。殺人現場は、部屋中真っ赤に染められた「赤い部屋」だった。東京を震撼させる連続爆破事件との関連はあるのか――。
※この作品は、2012年5月に小社より『水晶の鼓動 警視庁捜査一課十一係』として刊行された作品を改題したものです。
第一章 ラッカースプレー
第二章 ホワイトボード
第三章 クローゼット
第四章 デッドスペース
麻見 和史[アサミ カズシ]
著・文・その他
内容説明
殺人現場は、スプレー塗料で赤く染められた寝室だった。如月塔子が猟奇的な事件の遺留品捜査を始めた矢先、東京各所で連続爆破事件が起きる。多くの捜査人員がテロ対策に割かれ、殺人事件を担当する塔子ら特捜本部は動揺を隠せない。殺人犯はどこまで計画していたのか―まさか。緊迫の骨太捜査ミステリ!
著者等紹介
麻見和史[アサミカズシ]
1965年、千葉県生まれ。2006年、『ヴェサリウスの柩』(創元推理文庫)で第16回鮎川哲也賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
🐾Yoko Omoto🐾
159
現場がスプレーで赤く染められているなど、不可解な点が多い連続殺人事件。そして都内で起こった予測不能の連続爆破事件。二つの凶悪犯罪に迫る警視庁第十一係の活躍と、失敗から学び着実に成長する塔子の姿を描いた、殺人分析班シリーズ3作目。警察を舞台にしながらも、本格風味を漂わせているところに魅力を感じるシリーズだが、今作も謎の多さと謎解きにワクワクさせられた。鷹野が何切っ掛けで真相への糸口を掴んだのかは、無理に伏せずとも良かった気はするが、真相そのものは驚き含めて満足。コンビの今後にも興味津々でとても楽しみだ。2016/08/16
absinthe
152
面白かった。本作はあまり事件側の描写が丁寧でなく、伏線も少なく、唐突に謎が解かれる。だから楽しめないと言う人も多いだろうが、これは塔子の危機と克服の物語なのだ。前2作のタイトルが犯人視点であるのに対し、本作「水晶の鼓動」は塔子視点で付けられたタイトルである。塔子の成長は感動を与えると思う。つっこみどころはあるが、三作で一番好きだ。2019/02/15
utinopoti27
143
命にかけても報いるべき恩人がいた、はずだった。絶対的な信頼を寄せた根拠が、嘘で固めた裏切りとわかった時、男の絶望は怒りに姿を変え、制御不能な暴走を始める・・。ラッカースプレーで赤く塗り込まれた殺害現場。猟奇的な事件はさらに第2第3の連続殺人に。時を同じくして、都内各所で発生するビル連続爆破事件。大混乱に陥る捜査陣は、事件の真相にたどり着けるのか。今回は塔子はじめ主要キャラの個性がうまく描き分けられていて、捜査本部の緊張感もリアルに伝わってきます。3作目にしてようやく安定感の出てきたシリーズの今後に期待だ。2019/02/22
KAZOO
123
あっという間にこのシリーズの3冊目です。他の警察小説と異なるところは、あまり現実的ではないのでしょうが、警察内部の人間関係がぎすぎすした感じがしないということにあります。殺人事件なので事件そのものは結構残酷な様相を呈するのですが、常連の5人組が魅力あるチームで何とか事件を解決します。主任という人物が結構頭の良さを発揮しています。2018/05/26
ゴンゾウ@新潮部
106
連続殺人事件。犯行現場はラッカースプレーで赤く染められている。遺恨による猟奇的殺人事件かと思う。同時に起こる連続爆破事件。公安も動き政治犯の匂いも。かなり大がかりな設定だと思っていたが最後は以外にあっさりと解決してしまう。何と言っても本シリーズは如月塔子の成長が楽しい。過去のトラウマを乗り越えて逞しくなった。鷹野主任とのコンビも見逃せない。2017/01/09