講談社文庫<br> 津波と原発

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講談社文庫
津波と原発

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  • サイズ 文庫判/ページ数 299p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062777995
  • NDC分類 369.31
  • Cコード C0130

出版社内容情報

日本の近代化とは、高度成長とは何だったのか? 講談社ノンフィクション賞作家が著した、東日本大震災ルポの決定版。解説・菅原文太被災者の肉声を横軸に、現地の歴史的背景を横軸に紡ぎ、各メディアから高い評価を得た東日本大震災ルポルタージュの傑作を文庫化。あの未曾有の大災害の、一週間後に津波に襲われた被災地各所を、一ヶ月半後には福島第一原発周辺の立ち入り禁止区域内を緊急取材した筆者が見たものとは――。「あのとき、何が起きたのか。何が問題になっているのか。佐野さんにしか表せない、骨太な文章に心を打たれた」(解説・菅原文太)

文庫版のためのまえがき
第一部  日本人と大津波
        重みも深みもない言葉/志津川病院の中に入って/おかまバーの名物ママの消息/壊        滅した三陸の漁業/熱も声もない死の街/「何も考えずに逃げる」/「英坊」は生きてい        るか/「ジャニーズ」の電源車/高さ十メートルの防潮堤/嗚咽する「定置網の帝王」/        日本共産党元文化部長・山下文男/九歳で昭和大津波に遭遇/「津波は正体がわから        ない」
第二部  原発街道を往く
 第一章 福島原発の罪と罰
        逮捕覚悟で原発地帯に入って/浜通り原発銀座/東電OL・渡辺康子とメルトダウン/         現代版「原発ジプシー」/無人の楢葉町と「天守閣/満開の桜と野犬化したペット禁止         区域に入る牧場主/地獄の豚舎にあった「畜魂碑」/原発には唄も物語もない/ホウレ        ン草農家の消息/陸軍の飛行場が原発に/天明の飢饉と集団移民
 第二章 原発前夜――原子力の父・正力松太郎
        原子力開発の父と「影武者」/読売新聞の原子力キャンペーン/核導入とCIA/原子力        平和利用博覧会/英国からの招待状/欧米の原子力事情視察/東海村の火入れ式         /天覧原子炉/正力の巨大な掌の上で/「原子力的日光浴」の意味するもの  
 第三章 なぜ「フクシマ」に原発は建設されたか
        フクシマと「浜通り」の人びと/塩田を売却した堤康次郎の魂胆/木川田一隆と木村守         江の接点/原発を導入した町長たち/反対派町長・岩本忠夫が「転向」した理由/東京        電力の策謀/原発労働はなぜ誇りを生まないか/浜通り出身の原子炉研究者 
あとがき
解説 菅原文太


佐野 眞一[サノ シンイチ]
著・文・その他

内容説明

被災者の肉声を縦軸に、現地の歴史的背景を横軸に紡ぎ、各メディアから高い評価を得た東日本大震災ルポルタージュの名著を文庫化。あの未曾有の大災害から一週間後に津波に襲われた被災地各所を、一ヵ月半後には福島第一原発周辺の立ち入り禁止区域内を緊急取材した筆者が見たものは―。

目次

第1部 日本人と大津波
第2部 原発街道を往く(福島原発の罪と罰;原発前夜―原子力の父・正力松太郎;なぜ「フクシマ」に原発は建設されたか)

著者等紹介

佐野眞一[サノシンイチ]
1947年、東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。編集者・業界紙勤務を経てノンフィクション作家となる。’97年、民俗学者・宮本常市と渋沢敬三の交流を描いた『旅する巨人』(文藝春秋)で第28回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。2009年、『甘粕正彦 乱心の曠野』(新潮社)で第31回講談社ノンフィクション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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James Hayashi

26
震災直後に書かれたルポであるが、読んでもあまり感慨深くない。11年6月の刊行で他に先駆けてはいるのであろうが散漫な感じがする。孫正義の作品は良かったが、沖縄の作品と同じような感じを受ける。日本の原発の歴史、地理的背景などは参考になる。関連書を読むとき再読か。/ 福島第一のそばの牧場主は震災翌日に県警より「国はデータを隠している。もうここにいない方がいいですよ」と言われている。果たして国はどこまで知っていたのか?2018/06/28

masa

22
題名に惹かれて古本屋で購入した著者初読み本。正直な感想を言えばノンフィクションの大御所とはいえ震災後3ヶ月での上梓に情報不足の感は否めない。しかしながら、日本における原発の強烈な先導者が総理大臣を目論んでいた元読売新聞社主の正力松太郎であったとは知らなかった。全国で発生する核廃棄物の行方をたらい回しにしている現在、住民の帰還が難しい福島県双葉町(福島原発近隣地域)への集積が現実味を帯びていることは同じ東北に住む私には重い現実として考えさせられる。160982016/08/21

八百

19
「俺の出番」と品薄状態の防護服に外国製の線量計をオーダーし被災地に乗り込む、そこまではいいとしてその取材と言えば現地はそこそこに後は内地のホテルで酒を酌み交わしながらのインタビュー中心…やっていることと言えば著者が目の仇にするお大尽のご視察旅行となんら変わらない。中身にしてもエロやらグロやら人目をひくためのカストリ雑誌然とした記事が大半でそれを(笑)で締めくくるなど被災された人のことなどお構いなし。そして足らないページは原発の資料をコピペして出来上がり!ジャーナリズムの巨人は偉大なのは態度だけだったようだ2016/03/28

くまこ

5
「第一部の津波は、被災者のエピソードが中心で、小説的な手法で書かれていると思った。ルポルタージュ独特の文章が臨場感を増していた。あと、吉村昭さんの『海の壁』という本が紹介されていたから、今度読んでみたいな」「第二部の原発は、歴史的経緯がコンパクトにまとめられているから、原発問題をこれから勉強しようという人や、一度整理したいという人にお薦めかな。東電OL事件の話が繰り返し出てきたけど、東電という会社の体質についても触れているわ。こちらも興味深い問題」2014/03/28

よし

3
東日本大震災の現場を描いたルポルタージュ。前半が宮城・岩手の津波被災地、後半が福島第一原発。現場に行き多くの人たちの声を集めていて震災から3か月後に発刊された早さにまず驚かされました。また、福島第一原発については事故後の状況だけではなく、原発立地に至る国や地方の経緯が詳しく書いていて勉強になりました。津波災害と原発事故に共通する“他人事”で話す人たちへの筆者の憤りを感じました。菅原文太さんの解説も味わい深いです。2016/02/14

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