出版社内容情報
ピザの人気配達人、亮太。「困っている人は助けなければいけない」という彼が出会ったのは立て籠もり中の冴えないおっさんだった。ピザを届けるのが俺の仕事だ。
それがたとえ、拳銃を持った男が立て籠もっている場所でも。
立て籠もり現場にピザを届けることになったバンドのリーダー、伊庭亮太。だがそこにいたのは、腰の低いおっさんだった。託されたメッセージ。奇しくも今夜は大切なライブの日。だけど困っている人がいたら助けなければならない。おっさんと亮太の長い一日が始まる。次々くり出される意外な展開が止まらない!
プロローグ
第一部
第二部
横関 大[ヨコセキ ダイ]
著・文・その他
内容説明
立て篭もり現場にピザを届けることになったバンドのリーダー、伊庭亮太。だがそこにいたのは、腰の低いおっさんだった。託されたメッセージ。奇しくも今夜は大切なライブの日。だけど困っている人がいたら助けなければならない。おっさんと亮太の長い一日が始まる。次々くり出される意外な展開が止まらない!
著者等紹介
横関大[ヨコゼキダイ]
1975年静岡県生まれ。武蔵大学人文学部卒業。8年連続で江戸川乱歩賞に応募し、『再会』で第56回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
333
横関大さんの第2作は、江戸川乱歩賞後のプレッシャーから解放されて伸び伸びと書かれた感が半端なく読み取れる自由奔放な痛快作ですね。正直言って本作で乱歩賞は取れないと思いますが、プロ作家になられたからこそ生み出せる作品でもあっておめでたい事だと思いますね。本書は少しも複雑なストーリーではなく暑苦しい夏にサラッと読み通せる軽快でシンプルな緩い娯楽作ですね。主人公はピザ屋のバイトの配達員で四人組のアマチュアロックバンドのリーダー、伊庭亮太です。彼はモットーが「困った人がいたら必ず助けてあげる」ナイスガイなのです。2022/07/29
おしゃべりメガネ
238
う~ん、見事&完全にハマっている横関さん作品5作目です。横関さんの作品は中毒性が高いと何かの作品の帯か裏表紙に記載されていましたが、私もその一人になってしまいました。内容が深くて濃いかと言われると正直、そうではなくむしろ軽めではあるのかなと。今作も伊坂さんっぽさが少し目立ちすぎる感はありますが、そこはそことして軽快なテンポで描かれるそのストーリーに読む側は釘付けとなります。時空と世代を超えた愛と勇気のあるハートフルなミステリーをサラッとストレスなく、いとも簡単に読ませてくれる横関さん作品、今後も期待です。2016/01/03
しんたろー
156
横関さん5冊目。「困っている人をほっとけない」亮太がお人よし過ぎて、なかなか 馴染めずに第1部の前半は何となく読んでいた感じだったが、スピード感が増した ことと登場人物が噛み合ってきたことで段々と面白くなった。何よりも同年代の私に とって、おっさんこと鈴木二郎が親近感の持てる存在なのが良いし、二人の知恵と 機転が楽しい。第2部になって物語の時が流れると共感性が増して、横関さんの 「温かさ」が伝わってきて心地好かったし、タイトルの意味がシックリきた。伏線の 回収も丁寧で、良質なエンタメ小説を楽しめた。2017/03/06
タイ子
108
困っている人がいたら助ける、この信念が物語を前後左右に揺さぶり笑いと涙のツボにハメていく。アマチュアバンドの亮太は宅配ピザ屋の店員。そこに指名でピザの宅配注文が。受取人は冴えないフツーのおっさん。このおっさんが後に亮太の相棒(?)となり、バイクですっ飛ばす羽目になる事件に巻き込まれるのである。大事なバンド審査に間に合わせるために必死に人助けに精を出す亮太に同情しながら笑ってしまう。そして第2部はその8年後。いろんな人、モノがすっかり成長してこれまた事件が…。ラスト、泣かせます。2019/07/08
Rin
94
ピザ屋で配達を行う亮太とおっさんの絆が暖かで、その友情が最後まで物語を引っ張ってくれた。困っている人を放っておけない。そして助けようとする人は確かに、助けられた相手にとってヒーローだ。あり得ない、と思えることも沢山あるけれど、相手のことを考えて行動する。そして暗くなりすぎない、どこかユーモアを感じるやり取りが楽しい。そして、憎めないおっさんを最後は応援してしまう。最後にタイトルの意味が理解できるけど、ついつい幸せな結末を願ってしまう。素敵なヒーローに出逢うことができた一冊でした。2017/06/20