出版社内容情報
真山 仁[マヤマ ジン]
著・文・その他
内容説明
不良債権を抱え瀕死状態にある企業の株や債券を買い叩き、手中に収めた企業を再生し莫大な利益をあげる、それがバルチャー(ハゲタカ)・ビジネスだ。ニューヨークの投資ファンド運営会社社長・鷲津政彦は、不景気に苦しむ日本に舞い戻り、強烈な妨害や反発を受けながらも、次々と企業買収の成果を上げていった。
著者等紹介
真山仁[マヤマジン]
1962年、大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。読売新聞記者を経て、フリーランスとして独立。2004年、熾烈な企業買収の世界を赤裸々に描いた『ハゲタカ』(講談社文庫)で小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
368
再読。池井戸潤原作のドラマをあらかた見終わったので、次は綾野版ハゲタカを観ようと検討中。でも個人的には大森南朋の方がしっくりくる。第一作の上巻では、まだ鷲津も息を潜めており、松平/芝野の人生が静かに動き出した段階。山場はなんといってもパルクセール。金融の知識はほぼ持ち合わせていないが、セールの描写は手に汗握れる面白さ。しかし鷲津自身もいうように、不良債権処理はまだまだ序の口。下巻からは太陽製菓の買収が始まり、芝野もいよいよターンアラウンドマネージャーとして立ち、そこに飯島も絡んでくる。やっぱり面白い。2019/09/17
KAZOO
111
ドラマや映画になったという話は聞いているのですが、実際に読んだのは初めてです。よく新聞記者出身の方がここまで調べたと思います。前半は、不良債権を処理するために外国のファンドと銀行のやり取りがかなり真実性を帯びて書かれています。ある意味登場する銀行やファンドなど予測がつきます。2017/05/29
修一郎
98
不良債権処理が日本経済を揺るがす問題として取りざたされてからもう15年だ。本の中で取り上げられている事案はよく憶えているものばかり。あれから日本でも再生ファンドが発達したけども,過剰債務で退場する企業は引きも切らず再生ビジネスはまだ発展途上だ。上巻は金儲けに失敗した連中が金儲けをたくらむ連中に食い物にされるバルクセールの内実がメイン。福袋に放り込まれて解散させられてしまった企業は一体いくつあるのだろう。ドラマのおかげでずっと積読だった本書を読むきっかけができてよかった。続いて企業再生がテーマの下巻へ。2018/07/22
aquamarine
92
ドラマ化と聞いて、せっかくなので先に読もうと手を出しましたが、これは勉強になる本でした。バブル崩壊後、銀行はそれまでのツケを払わされることとなり、不良債権に苦しめられますが、それをどう処理し銀行自体を倒産させずに継続させるか、上巻では銀行側の苦悩がメインに語られます。バルクセールという言葉も初めて聞きましたが、当時水面下でこのようなことが起こっていたとは。そこへ喰らいつく「ハゲタカ」こと外資投資ファンド。瀕死の企業を買収し、どんな再生を図るのか。老舗ホテルの再建なども絡み目が離せません。このまま下巻へ。2018/07/11
chantal(シャンタール)
86
読友さん激推しで、彼に買い与えられたこちら、ホントに面白かった!バブル崩壊後の日本の歴史的出来事を思い出しながら読む。銀行って、ほんとに酷い所だよな・・経済的なアタマがない私にはよく理解出来ていない所もあるが、それでもスリリングな経過に読む手が止まらない!下巻へ続く!2022/05/08