出版社内容情報
志村 季世恵[シムラ キヨエ]
著・文・その他
内容説明
いのちの終わりが迫った人が、大切な人に残す「最後のメッセージ」。自分が死んだ後も、家族や恋人を支え続けられる言葉とは?たくさんの末期がんの人たちに寄り添い、ただ死を待つのではなく、最後まで何かを生み出そうとする、そのお手伝いをしてきたセラピストによる、心震えるエッセイ集。
目次
序章 希望
1章 おむすびの歌
2章 母の教え
3章 約束
4章 恋する資格
5章 樹の下の少女
6章 ビーズのネックレス
終章 ダイアログ・イン・ザ・ダーク
著者等紹介
志村季世恵[シムラキヨエ]
1962年生まれ。バース・セラピスト。’90年「癒しの森」を故志村紘章と共に立ち上げ、カウンセリングを担当。クライアントの数は延べ4万人を超える。2007年「癒しの森」を閉院。現在は「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」の運営に力を注ぐ傍ら、フリーでカウンセリングや、末期がんを患う人へのターミナル・ケアを行う。「こども環境会議」代表、「ダイアローグ・ジャパン・ソサエティ」代表理事。4児の母(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Smileえっちゃん
57
バースセラピストの志村さん、「いのちのバトン」読後続いて読み終えました。死を間近にした方々と真剣に向き合い、う姿に心打たれます。ご自身が体験されたからこそ、相手と悲しみ、苦しみを分かり合えるのですね。自分が死んだあと、家族に、親しい方への「最後のメッセージ」次に繋がる大切な言葉…悲しいお話なのに読後感が明るいですね。何気なく過ごしている一日が、もっと生きたいと思いながら亡くなられた方の一日なんですね。今を大切に生きなければと思います。 「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」にとても興味が持てました。2020/11/23
おいかわ
14
末期の癌を患った人びとを看取る、セラピストの季世恵さん。彼らは季世恵さんとの出会いを通して最期に本当に大切なものに気づき「ありがとう」と笑顔で旅立っていく。涙なしには読めませんね、これは。 【病気をしたときって自分が主人公になりがちだけど】この言葉にハッとさせられた。自分が苦しいときにも、周りの人を信頼し、助け合うことの大切さ。人を慈しむ心。そして、これらの大切な気づきを健康な人にも気づかせてくれる「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」というイベント。まさに季世恵さんがいたからこそ成り立ったんだな。有難う。2016/01/08
ねこ
12
ターミナル・ケアをおこなうカウンセラーによる記録。登場する方のほとんどが末期がんの患者さん。作者は「たいせつなひとに最後にどんなメッセージを残したいですか?」とたずねる。問いかけるだけではなく、いっしょに答えを探す。そしてその思いを叶えるための手筈をととのえる。うつくしい技術。でもきっと、彼女も同じように傷つき、再生しているんだろうなあ。繊細で強靭な精神の持ち主、そう思いながら読みつつ、いつの間にか、とても身近に感じていました。残ります。2018/06/17
しのだ@書店員復帰を目指し中!
10
命あるものはいずれ『死』を迎える。しかし、誰しも苦しみながら死を迎えたくはないだろう。この本はセラピストの方の実体験をもとに書かれている。ガンという病気の恐ろしさをひしひしと感じる。愛する人たちを残してこの世を去るというのはとても辛く、苦しい事だと思う。残される方も悲しい。そういう部分を見ているととても辛くなり、泣いてしまった。ガンという病気に対して画期的な治療法が早く発見される事を願う。2013/10/15
yoshi
7
古本屋さんでタイトルに惹かれて手に取ったら、偶然にも先日読んだDIDの志村季世恵さんの本だった。人生、生命、限りある時間の使い方。使命。今際の際で人は自分は何を思うのか。それぞれのお話に心響かせてもらい、自分なら最期をどうするか、最期のときまで今現在からどうするのかをしっかり考えなきゃなと思いました。登場される人物それぞれの人生に思いを巡らせつつ、季世恵さんの懐の深さというか目の前の人と命に本気で向き合う姿に心打たれました。2019/03/07