講談社文庫<br> 大江戸釣客伝〈上〉

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講談社文庫
大江戸釣客伝〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 432p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062775540
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報



夢枕 獏[ユメマクラ バク]
著・文・その他

内容説明

綱吉治世の元禄時代、釣りに出た絵師・朝湖と俳人・其角は江戸湾で屍体を釣り上げる。竿を持ち、笑みを浮かべながら流れ死んだ男の正体は?一方、旗本・采女は小普請組という閑職がゆえ、釣り三昧の日々を送っている。義父・吉良上野介の計らいで、「生類憐みの令」を発布した将軍・綱吉の側小姓となるが…。第46回吉川英治文学賞、第39回泉鏡花文学賞、第5回舟橋聖一文学賞、3冠達成の時代小説。

著者等紹介

夢枕獏[ユメマクラバク]
作家。1951年1月1日、神奈川県小田原市生まれ。東海大学文学部日本文学科卒。’77年作家デビュー。’89年『上弦の月を喰べる獅子』で第10回日本SF大賞、’98年『神々の山嶺』で第11回柴田錬三郎賞を受賞。漫画化作品では、2001年に『陰陽師』(漫画・岡野玲子)が第5回手塚治虫文化賞マンガ大賞、『神々の山嶺』(漫画・谷口ジロー)が第5回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。『大江戸釣客伝』で、’11年に第39回泉鏡花文学賞、第5回舟橋聖一文学賞、’12年に第46回吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

60
時は元禄、徳川綱吉の「生類憐みの令」はさらに厳しさを増して「釣り船禁止令」なるものまでが発令された。人よりも、犬や魚、蚊の方が大事とされたデストピアのような時代、目の前に広がる海に漕ぎ出すことこそ何よりも楽しみという釣りキチたちは、どうやってその不遇をしのいでいくのか。徳川綱吉、紀伊国屋文左衛門、水戸光圀、吉良上野介、松尾芭蕉、宝井其角、絵師多賀朝湖と錚々たる登場人物たちがなんとも魅力的。綱吉のエスカレートする狂気とその支配下にある人々の動向が気になりつつ、下巻へ。2017/07/25

あすなろ

25
夢枕さん、ムチャクチャ楽しんで書いたのだろうな~。目に浮かぶようです。読んでる方も楽しかった!下巻、早速読みます!2014/02/25

Kira

20
電子版で再読。釣りびとたちの目から見た「生類憐みの令」と、元禄時代の狂気を描く。金の使い方を見る限り、紀伊国屋文左衛門はあまり賢いひとではなかったような気がする。2025/07/19

SORA

20
江戸時代の釣りを題材にしている小説って珍しいと興味を持ち、読み始めた。津軽采女の義父となる人ってもしや!?と思ったら、やはりそうらしい。采女が出世するあたりから、人間模様が面白くなるが、生類憐みの令の取り締まりも厳しくなり、釣り仲間らがどうなっていくのか気になる。2014/07/30

fukumasagami

17
「大え魚をかけて、悦んでいる最中に逝っちめえやがったんだ、あの爺い……」 朝湖の声が、さらに低く、小さくなった。 富士が、もう影になっている。 西本願寺の大屋根も、もう、切り絵のようだ。 沈黙の中に、舟を叩く波の音と、櫓の音だけが響いている。 「なあ、其角よう……」 朝湖が、人恋しそうな声で言った。 「何です」 「あれも、悪いくたばり方じゃあねえな……」 ぽつりと、朝湖は、小石のようにその言葉を吐き出した。2013/06/13

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