講談社文庫
ファミリー・シークレット

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  • サイズ 文庫判/ページ数 413p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062775007
  • NDC分類 916
  • Cコード C0195

出版社内容情報

「愛する子供への虐待」「26年ぶりの父との対峙」……小説のなかに閉じ込めてきた家族の闇を初めて綴った感動ノンフィクション。

「愛する子供への虐待」「26年ぶりの父との対峙」……小説のなかに閉じ込めてきた家族の闇を初めて綴った感動ノンフィクション。

内容説明

愛する息子を私はなぜ叩き続けるのか。親から受けた虐待のトラウマと向き合い、虐待の“再演”を終わらせるために、柳美里は臨床心理士のカウンセリングを受けることを決意する。そこで明らかにされていく、彼女自身が消し去ろうとしてきた心の闇とは?家族の秘密とは?著者初となる衝撃のノンフィクション。

目次

なぜわたしは愛するわが子を叩くのか
「虐待」―カウンセリング第一回2009年8月1日
夢に出てきた男の正体
ある「虐待母」を訪ねて名古屋にて
「二つの夢と息子」―カウンセリング第二回2009年10月31日
わたしと息子の現在
「母性」―カウンセリング第三回2009年11月1日
畠山鈴香と「碧いうさぎ」
父が死ぬ前に、話しておくこと
「26年ぶりの対話の前に」―カウンセリング第四回2010年1月24日14時
棘を失くした時計
「父・柳原孝に逢う」―カウンセリング第五回2010年1月24日16時
記憶にかかるフィルター
「最後の夢で見たもの」―カウンセリング最回2010年1月25日
家族という檻のなかで

著者等紹介

柳美里[ユウミリ]
1968年生まれ。高校中退後、劇団「東京キッドブラザーズ」に入団。’93年、『魚の祭』で、岸田國士戯曲賞を最年少で受賞。’97年、「家族シネマ」で、芥川賞を受賞。’99年、『ゴールドラッシュ』で、木山捷平文学賞を受賞。’01年、『命』で、第7回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞作品賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

116
作家 柳美里による児童虐待に関する ノンフィクションである。著者が 描く著者自身の人生と 嘘をつき続ける息子との日々は、正直不快になるほど、凄まじい。 書くことによって、抱えてきた苦しみから 解放されるのだろうか?ひどく深い心の闇を のぞいているような、そんな本だった。2022/09/14

Ikuto Nagura

4
臨床心理士長谷川博一『子どもを虐待する私を誰か止めて!』から読みたくなった本。作家柳美里が、自らの虐待と被虐待、カウンセリング受診による変化を記していく。カウンセリングする側の長谷川の著作では伝わらない受診側の内面が窺える。正に子は親の鏡で、因果は恐ろしいほど明確だ。恫喝しながら育てれば言葉による支配の方法を覚え、殴りながら育てれば暴力の使い方を身に付け、ネグレクトして育てれば自他に対する無関心を学ぶ。代々継がれた教育法の誤りに気付くためのカウンセリングであろうが、気付いたとしても改められないジレンマ…。2016/05/25

つかほ

1
自分もカウンセリングを受けたような読後感。父親と自分との記憶の齟齬は、過去のトラウマで現在の自分が囚われていることをアホらしく思わせる。人それぞれの事実があるのだから、恨みや悲しみの記憶にいつまでもしがみついていても、バカだ。そういうものは捨てて、ああ自由になりたい。恨み、悲しみの記憶はもう終わりだ。2017/09/10

うたまる

1
「家族以外の立ち入りを禁止されている”家庭の闇”は、この世の中のどの闇よりも濃い”闇の中の闇”なのではないだろうか」……我が子への虐待を悩む著者が、カウンセリングを受け克服しようとするノンフィクション記。でもこれ、ノンフィクションというより私小説に見える。エンタメに見える。感覚を刺激してくる虐待シーン、夢と現実をダジャレ的にこじつけるカウンセラー、父娘間での『藪の中』的対決、そして落着させない曖昧な結末。カウンセラーが家族の闇を解放していくように見せながら、その実すべては著者が自分の掌の上で転がせている。2016/11/09

かんちゃん

1
作者ノンフィクション 児童虐待。我が子に手をあげる。 とめられない。 自分も親から虐待を受けてきた。 繰り返されるのか。 心の闇とは。 壮絶な子供時代。 やはり自分が悪いと思う。 冷静な判断が出来ない。。 難しい問題……2015/10/06

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